【閲覧注意】樹海の白骨遺体に「呼ばれた」ことも…! 樹海専門家・村田らむが思い出深い「4つの骨」を紹介!
■腕時計をつけた骨
樹の下にバラバラと骨が転がっていた。
残っている服から見て、男性だったようだ。しっかりとした頭蓋骨が残っていた。歯も、奥歯に治療痕はあるものの、全部キチンと揃っていた。
ただ、こう言ってしまうとなんだが、特徴の薄い骨ではあった。
体の骨を見ていると、白い腕の骨にしっかりとスチール製の腕時計が巻かれていた。腕時計をつけた死体はたまにある。この死体では時計本体は地面側を向いていて文字盤は見られなかったが、時計が見える死体もある。
そして時計が動いている事もある。
なんだかドキリとする。
本人はもう未来永劫自分の意志で動くことはないが、でも彼の一部である時計はいまだに動いている。
なんだか、まだ少しだけは命があるのではないか? と錯覚してしまう。
防水性の高い時計だったら、そう簡単に壊れない。例えばG-SHOCKの電波ソーラー時計であればよっぽどのことがない限り動き続けるだろう。そして樹海の中にいても電波は拾えるから時間がズレることもない。
持ち主が死に、腐り、白骨になり、そして土に還っても、まだ正確に時を刻み続ける腕時計……。
なんだか切ない気持ちになった。
■崖の下の骨
前編で説明した、二泊三日の青木ヶ原樹海死体探しツアーの中で見つけた白骨だ。
2メートル近い岩と岩の間の崖に落ちていた。もちろんそんな場所に落ちていても、普通は気が付かない。
崖の上に立っている樹にロープがかけられていたのだ。崖の下にぶら下がる形で死んだのだろう。
ぶら下がったまま死に、腐り、そして地面に落ちた。そしてそこに、落ち葉が積もり、雨が降り、土になっていった。おそらく十年以上、そうして腐葉土の中に埋まってきたのだろう。
埋まっていた部分は土色になっており、すでに木の根が入り込んでいた。
日本の土壌は酸性だから、埋まっているとそのうち骨も溶けてしまう。骨などは少し残るかもしれないが、基本的にはなくなってしまう。ちなみに土壌がアルカリ性の国は骨が残る。ヨーロッパのなどで、骨を積み上げて装飾物にしている教会があるが、それは放っておくと骨だけ残るからだ。
写真は、少し離れた場所から、マクロレンズで撮影したのだが、なんだかとてもいい雰囲気に撮れたなと思っている。
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