古代人はどこにドラッグを隠していた? 3000年前の古代麻薬貿易の証拠から判明!
どうやらドラッグは、古今東西を通じて存在していたらしい。紀元前1650~1350年頃の後期青銅器時代に、地中海東部エリアで麻薬取引が行われていた事実が判明したという。
■3000年前の水差しにアヘンの痕跡
イギリスの大英博物館及び同国ヨーク大学の研究者らは、当時のキプロス船の中から発見され大英博物館に所蔵されているコレクションの水差しの中に、アヘン剤の痕跡があることを突き止めた。
この時代の土器はそのほとんどが水差し形や環状把手がついた「Base-ring juglets」と呼ばれる水差しであり、アヘンの元となるケシ(芥子)の実を想像させる特徴的な形をしていることから、かねてより専門家の間ではその関連性が指摘されていたが、決定的証拠が見つかったのは今回が初めてのケースとなる。
この“アヘン水差し”は、少なくとも3000年以上前のものと推測されている。最初に行われた分析では、水差しの内部に存在していたのは大部分が植物油であったという結果であった。
だが、同時に微量のケシの実から採取されるアヘンアルカロイドが成分中に含まれている可能性があることもわかったという。
言うまでもなく、アルカロイドやそこから合成される化合物は鎮痛や陶酔といった作用があり、習慣性や乱用による健康被害など、人体に多大な心理・物理的影響を及ぼす。
考古学者らは、Base-ring jugletsと呼ばれる形状の、粘土でできた小さなこの水差しについて、紀元前1600年~1100年頃にキプロスで作られ、輸送によってエジプトやシリアなど他国の周囲地域に大量に流通したと考えており、そのひとつが密閉されたまま大英博物館に眠っているのを発見したことから、今回の研究に結びついたという。
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