人を殺すサボテン「ユーフォルビア・ビローサ」の猛毒を解説! 死亡・失明・ただれ…くられも“No.1毒草”に選出!
このサボテンによく似た植物の最大の特徴。それはvirosaの名に恥じぬ、猛烈な毒性を持つという点です。その樹液の粉末が皮膚に触れるだけでひどい爛れをおこし、またとげにもしみ出した毒液が乾燥して付いていることがあり、触れるだけで極めて危険な植物です。切り倒そうとして飛沫を浴びて失明したり、死亡例まであります。まるでファンタジーから抜け出たような猛毒草。それがユーフォルビア・ビローサです。
毒の成分は石油系テルペンに似た成分(ロウに近い)を中心にフェノール化合物、アルカロイド、直鎖炭化水素などと多岐にわたり、それぞれが複雑な毒性を持っているため中心となる毒が存在しません。あるものは生のときに猛毒で、あるものは乾燥時に脱炭酸して猛毒へ変貌するという、とにかくやたら滅多に猛毒特化した複合毒です。
かつて人類は、狩猟に毒矢や吹き矢などを使って狩猟をしていた時期があり、そうした狩猟に使われる毒の差から文化圏をうかがい知ることができる……というのはトリカブトの時にも説明したとおりですが、このユーフォルビア・ビローサの毒もアフリカ大陸の一部の部族で使われていました。
アフリカだけでなく、日本でもユーフォルビア・ビローサは流通しています。サボテン様ユーフォルビアは、日本の園芸の世界では「麒麟」という名で知られており、ビローサも「矢毒麒麟」という名前でごく希に流通します。
冬場の冷えには弱いのと日本の多湿の高温とは相性が悪いため、栽培は屋内で乾燥した日当たりの良い場所に置いておくのがよく、1℃以下にならないようにしたほうが良い……のですが、移動時に誤ってとげを刺してしまうなどの危険性もあるので、栽培される方は十分な注意が必要です。
繁殖は、種子の他挿し木でも可能で、清潔な刃物である程度の長さを切断、2~3ヶ月よく乾燥させると、根が生えてくる……のですが、ゴーグルと防護手袋が絶対必須です。
ヘルドクターくられの毒草コレクション! ユーフォルビア・ビローサの順位は…… 動画は「YouTube」より引用
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