「霊感がある人なら泡を吹いて倒れる」日本全国の“曰くつき”ばかり追い求めた前代未聞の奇書『奉納百景』著者・小嶋独観インタビュー！

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川倉賽の河原地蔵尊（青森県五所川原市）

小嶋　　これまで数え切れないほどの神社やお寺に行ってきましたが、面白い奉納物はまだまだあります。それに、先程もお話した日本の変わったお墓の写真も撮り溜めています。切り口はたくさんありますが、基本的には日本の宗教を扱いたいと考えています。

諏訪大社 上社前宮の御頭祭（長野県茅野市）

――楽しみにしています。最後にトカナ読者へメッセージをお願いします。

『奉納百景』のように奉納を体系立てて収集した本はいままでになかったと思います。全部自分で探して、足掛け15年かけて制作しました。資料としての価値もあるのではないかと思いますし、まとめることができて本当に良かったです。

　怖いものが好きな（？）トカナ読者のみなさんも、この本を通して日常ではなかなか味わえない空間に興味を持ったなら、ぜひ現地に行って見てほしいですね。青森県の河原地蔵尊の人形など、本当に背筋が凍るような体験になると思いますよ。霊感がある人だったら、泡を吹いて倒れるほど強烈な場所かもしれません。

小嶋独観氏

　祟りを信じないという小嶋氏だが、その言葉からは、奇妙な神社仏閣や恐ろしい呪物に対する愛情がひしひしと感じられた。小嶋氏の冷徹な視線と愛があったからこそ、長い時をかけて人の恨みや念が蓄積された呪物たちの“真実”を記録することができたのかもしれない。

「なによりも怖いのは『人の念』です」と語る小嶋氏のライフワーク『奉納』は、人間が生活を続ける限り、終わることはない。小嶋氏が見せる次なる異世界に期待したい。

（取材・文＝松本祐貴）

※ 日本の知られざる奇景が大集合した前編はコチラ！

小嶋独観（こじま・どっかん）
ウェブサイト「珍寺大道場」道場主・神社仏閣ライター。日本やアジアのユニークな神社仏閣、ファンキーな神様、不思議な信仰、巨大すぎる仏像などを現地で取材。著書に『ヘンな神社仏閣巡礼』（宝島社）、『珍寺大道場』（イーストプレス社）。共著に『お寺に行こう！』（扶桑社）など多数。
・ ウェブサイト　珍寺大道場　http://chindera.com/

松本祐貴（まつもと・ゆうき）
1977年、大阪府生まれ。フリー編集者＆ライター。雑誌記者、出版社勤務を経て、雑誌、ムックなどに寄稿する。テーマは旅、サブカル、趣味系が多い。著書『泥酔夫婦世界一周』（オークラ出版）。
・ ブログ「～世界一周～ 旅の柄」　http://tabinogara.blogspot.jp/

松本祐貴

1977年、大阪府生まれ。フリー編集者＆ライター。雑誌記者、出版社勤務を経て、雑誌、ムックなどに寄稿する。テーマは旅、サブカル、趣味系が多い。著書『泥酔夫婦世界一周』（オークラ出版）『DIY葬儀ハンドブック』（駒草出版）。新刊に編集として関わった『これからの時代を生き抜くための生物学入門』（辰巳出版）五箇公一著。
・ ブログ「～世界一周～ 旅の柄」　http://tabinogara.blogspot.jp/

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