イルカの守護霊、スピリチュアル、陰謀論、タロット、UFOチャネリング…辛酸なめ子が小説『ヌルラン』の世界を語り尽くす!
■陰謀論者にありがちなこと
――それにしても、主人公のレミはスピリチュアルや陰謀論にはまりやすいキャラでしたね。
なめ子 まず、レミの友人が陰謀にハマっていてそれに感化されて、本人も陰謀論への興味からスピリチュアルへ…という流れでハマった感じですよね。女性、男性に限らず陰謀は日頃から不満を抱いている人がハマりやすいですね。でも、女性は意外と陰謀好きなのかもしれないとも思います。
――滅亡も好きですよね(笑)。
なめ子 そうですよね。滅亡論大好きです。これまでたくさんの滅亡論が出てきて、「いったい何回地球は滅亡するの?」みたいな(笑)。そういえば、今月も地震関係の滅亡論などがありましたよね。
――陰謀論者にありがちなのは、「自分が今、うまくいっていないのは闇の権力のせいだ」というように、他者に責任転換している人も多いと感じます。
なめ子 そうそう。それで、「他の人がうまくいっているのは、バックに巨大な組織か何かがついているに違いない」とか言うんですよね。
――陰謀から入ったスピリチュアル好きの人は、他のスピリチュアル好きの人とでは何か違いがあるんでしょうか?
なめ子 陰謀から入った人は、常に新たな刺激を求めている感じがあります。それこそ新たな滅亡ネタを探すとか(笑)。あと、恐怖がちょっと楽しいみたいですね。「○月○日に何か恐ろしいことが起きる」というのがわくわくするというか。そこに、何かカタストロフィが起きることを期待しているのか。でも、そういう人は、どこかで「自分だけは安全で死なないし、怪我もしない」というような根拠のない自信があるからこそ、楽しんでいるのかもしれませんよね。
――陰謀論好きの人のなかには、「俺はこんなすごい陰謀を知っているんだ。君はそんなことも知らないのか?」とマウンティングしてくる人もいます。
なめ子 昔、大御所陰謀論者のベンジャミン・フルフォードさんのイベントに行ったら、男性だけじゃなくて、結構、年配の女性も多く来ていたんです。女性たちは割と平和な感じで、飴とかなめながら「ロスチャイルドってすごいのね~」とかいう感じでゆるく話していました。でも、男性たちのほうは真剣に互いの知識を披露し合っていましたね。あと、「俺は米を備蓄しているんだけれど、まだしてないの?」というような話をしていました。なので、女性のほうが陰謀を娯楽のように楽しんでいて、男性のほうが危機感を持って本当に信じている感じという印象を受けましたね。
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