タイの「飛行機墓場」に村田らむが潜入取材! 残がいの中で家族が生活、コックピットやトイレも…!
コックピットの隣にはトイレもあった。飛行機ならではのコンパクトで清潔なトイレも、廃墟になって壊れて風化してなんだか悲惨な雰囲気になっていた。
「メンヘル系な地下アイドルとかが半裸で写真撮ってそうだな~」
とか思う。
飛行機は輪切りになっているので、おしりの方に行くと外が見える。ジャンボジェットの上の方なので、かなり高度が高い。敷地全体が見渡せる。野っ原にゴロゴロと飛行機が転がっているのが見えた。並べ方はかなり適当である。熱帯の草がボウボウと生えて、ジャングルの事故現場っぽくなっている。
一旦、外に出ようと思って下に降りると、出口に数匹の犬が3匹寝ていた。「なんでわざわざ出口で寝るんだよ」とひとりごちながら、そっと犬を避けて外に出た。
上から見るよりかなり草むらは厳しかった。
ブンブンと様々な虫が飛んでいて、チクチクかまれる。伊豆にあるは虫類専門の動物園『iZoo』に行った時、タイ産のコブラの血清が陳列してあったのを思い出して怖くなった。
そう思っていたら、草むらに白い道があるのを見つけた。これ幸いと道の上を歩いていると、それが飛行機の翼だということが分かった。道の先にある輪切りにされた飛行機の向こうには高層ビル群が見えた。なかなか神秘的だった。
散々、飛行機の廃墟を見て回り、写真も撮りまくって入り口に戻ると、今度は小さい男の子が出てきてドアをあけてくれた。楽しそうにケラケラ笑っている。
とまあ、ほとんど見たまんまのルポになってしまったが、タイに旅行するならついでに足を運んで損はないかと思う。
ちなみに駐車場のあったイオンの一階にはフードコートがあって、気軽に美味しいタイ料理が食べられて良かったっす。(村田らむ)
村田らむ
ライター、漫画家、カメラマン、イラストレーター
1972年生まれ。キャリアは20年超。ホームレスやゴミ屋敷、新興宗教組織、富士の樹海などへの潜入取材を得意としている。著書に『ホームレス大博覧会』(鹿砦社)、『ホームレス大図鑑』(竹書房)、『樹海考』(晶文社)など。
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