見るだけで脳が壊れる「ピンナ錯視画像」がヤバい! 超ぐるぐる… “ニューロンの15ミリ秒の遅れ”を体感!
皆さんお待ちかね、錯視のお時間。今回は英紙「Daily Mail」(2月19日付)を参考に「脳の15ミリ秒の遅れ」を感じられる錯視作品をご紹介したい。
まずはこちら。ひし形が円を描いた錯視画像。円の中にある小さな黒点を見つめながら、頭を前後に動かして欲しい。固定されているはずの円がグルグルと回るのを感じられるだろう。
これは「ピンナ錯視(Pinna-Brelstaff Illusion)」と呼ばれるもので、2000年にイタリア・サッサリ大学のバインジョ・ピンナ教授が開発した。中国科学院の神経科学者イアン・マックス・アンドリーナ氏によると、ピンナ錯視において円がグルグルと回って見えるのは、ニューロン同士の活動に15ミリ秒の遅れがあるためだという。
物を見た時、我々の脳はすぐにその物が何であるかを推測しようと試みる。大体において物理ルールには一貫性があるため、その推測は正確に行われる。しかしピンナ錯視の場合は、ニューロンに遅れが生じるため情報処理がそのギャップを埋めるため短絡を起こし、円が回転しているように見えるとのことだ。ある意味、脳がエラーを起こしているとも言えるだろう。
アドリアナ氏はこのことをマカク(オナガザル科マカク属の総称。ニホンザルも含まれる)という人間と似た視覚システムを持つ猿を用いた実験で明らかにし、同論文は今月18日に科学誌「The Journal of Neuroscience」に掲載された。
次にご紹介するのは、ピンナ錯視の応用版だ。ブロックの間を左右に移動する赤い点を目で追うと、固定されているはずのブロックがゆらゆらと歪んで見えてくるのだ。
また面白いことに、赤い点のスピードやブロックのサイズも変更できる上、CircleからLanesに変えることで錯視の見え方も変わってくる優れものだ。(試したい方はコチラから)
脳は世界を映し出す鏡ではない。情報を統合して一貫したイメージを生み出す映写機のようなものだ。認識の不思議さに加えて不完全さも明るみに出してしまうところが錯視の魅力だろう。
(編集部)
参考:「Daily Mail」、ほか
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