頭が男性器になった男、性器切断、獄卒…! タイ「地獄寺」の素晴らしすぎる地獄絵図
頭が男性器になった男、性器切断、獄卒…! タイ「地獄寺」のオススメスポットを”地獄麻痺”した女子大生が解説!
昨年末には、自らがガイドを務めて地獄寺現地ツアーを成功させたという椋橋氏。さらなる今後の展望を訊いてみた。
「あと20~30カ所の地獄寺を見に行って、100カ所くらい集まったら『地獄寺完全攻略本』みたいなものを出したいですね。かなり無茶な行き方をしているのでまだちゃんとは説明できないですね。研究としてやってましたけど、個人的には、“どうやって地獄寺のよさを知ってもらうか?”その伝え方がすごく難しいですね。“今まで珍スポットという認識だったけれど、そうじゃなかったんだ”っていう意見をもらった時に、人のものの見方を奪ってしまったんじゃないかとか思ってしまって。あくまで1つの視点なので軽い感じで知ってもらって、そのあとこの本からさらに地獄寺のことを深く知ってもらいながら“いいな”とって思ってもらう。さらには実際に地獄寺に行ってもらうってことが理想ですね」
最後の最後、シンプルに《地獄観》を訊いてみた。
「“《地獄》って本当にあると思いますか?”って聞かれることがよくあるんですけれど、世界として実在してるかそうかといえばないとは思います。でも、地獄がおもしろいのは、世界中どこの国にもあるってことなんです。それくらい、人間の根源的な発想だと思うんですよ。あと、よく《天国》と比較されますけれど、天国はすごく《観念的》。でも地獄って、その時代の悪いこととか人間の気持ちとか、無茶苦茶《具体性》や《リアリティ》があって、そういった人間臭い面がいいなって思うんです。《人間に必要な観念》というか。みんな“怖い、嫌だ”と言うんですけれど、結局は見たいじゃないですか? みんな、本当は地獄が気になってしまうと思うんです。一般にも、言葉でもよく喩えたりしますしね。心の中にはみんな《地獄》があって、意識はしてるんです。もともとタイが好きというのもあるし、一方で地獄が好きなので『タイの地獄寺最高!!』と思います」
ここまで愛を込めて地獄を語る20代女性というだけでもかなり珍しいのだが、彼女の目的はタイ人にもまだみえていないものを体系化することという、壮大な野望を抱いた女傑でもある。
「私はもう麻痺してしまってるのですが、地獄寺を見て怖いと思う人もいるんですよね。でも、その感覚はなくなってしまいました。むしろ“こんなに素敵な可愛いところがあるのに!”って思います。でも、その感覚は少し悩んだりしますね。たとえば、この『タイの地獄寺』のフライヤーを、“怖いから”って返されてしまったりすることもあるんです。そこで“ハッ”としますね。《グロい》ということはわかるんですけれど、《怖い》って感覚があるんだって……」
これはなんの研究であっても同じことなのだが、あまりに没頭してしまうが故に他者や社会との共通感覚がズレてきてしまうことは多々ある。
「そういえば、表紙に(下半身が)丸出しの写真を使っているのですが、そのことには本ができてから他人に指摘されて初めて気づいたんですよね……。いろんなものを見たので、そのあたりの感覚が麻痺してるのかもしれないです」
なんと、『タイの地獄寺』の表紙を飾る巨大立像が男性器丸出しであることも全然気付かなかったという椋橋氏。このコンプライアンス全盛の時代に表紙から下半身剥き出し。改めて、のめり込みすぎて周囲が見えなくなっている人の情熱だけが成し遂げられることは多いと感じた。
椋橋彩香(くらはしあやか)
タイの地獄寺研究家。現在までに訪れた寺院は47県105カ所。近著に『タイの地獄寺』(青弓社)。好きなタイ料理は「ソムタム・パラー」。Twitter:@jigokuderaもしくは@narok___
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2024.10.02 20:00心霊頭が男性器になった男、性器切断、獄卒…! タイ「地獄寺」のオススメスポットを”地獄麻痺”した女子大生が解説!のページです。タイ、椋橋彩香、地獄寺などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで