ネアンデルタール人は“共食い”して絶滅していた可能性が浮上! 温暖化カニバリズムか… ネアンデルタール人のイメージが急低下!

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イメージ画像:「Gretty Images」

■ネアンデルタール人の絶滅は食糧難による餓死!?

 ほかの地域で収集されたネアンデルタール人の遺骨には、このような傷や身体パーツの切断などはあまり見ることができないことから、気候変動前には共食いは行われてはいなかったということだ。とすれば、やはり気候変動による食糧難がネアンデルタール人をコミュニティの崩壊につながるタブー侵犯者へと変貌させたのだろうか。

 研究チームは、この“共食い説”はあくまでも仮説であるとしているが、この説をサポートするものはいくつもあるということだ。

 たとえば通常であれば、たいてい彼らのコミュニティでは遺体は土葬にされていたことがわかっている。このBMG洞窟だけ遺骨が動物の骨と混ざっていたのは確かに不自然かもしれない。

 さらに、この気候変動の時代以降にもたらされた食糧難、特にタンパク質が豊富な獲物を欠いていたために、ネアンデルタール人はヨーロッパの一部を放棄することを余儀なくされたこともわかっているという。それまで基本的に肉食であった彼らネアンデルタール人だけに、日に日にタンパク源が欠乏していく状況に耐え切れず共食いに向かったのかもしれない。

 恐ろしくて悲惨な“共食い説”なのだが、あくまでも時代がそうさせたのであって、研究チームは決してネアンデルタール人のイメージを損なうことがないよう、フォローアップにも取り組んでいるということだ。ネアンデルタール人は被害者の側なのであり、存続していくためにはほかに選択肢がなかったのである。

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画像は「Wikipedia」より

「BMG洞窟の特徴である共食いは残虐性や人非人性を示すものではありません。総合的に考えて、急速で激しい環境変化によって引き起こされた栄養欠乏ストレスによって引き起こされた、短期間のうちに起きた単独ともいえる限られた中で生き残りをかけたエピソードの1つとして解釈することができます」と研究チームは説明している。つまり、ネアンデルタール人の絶滅は食糧難による餓死だったことにもなり得る。

 振り返って、全世界の食品の3分の1が捨てられているという今日の大量食品廃棄時代にあって、このネアンデルタール人の、悔恨の念を残した最期を知った我々は、気持ちを改めるべきなのかもしれない。

参考:「Science Alert」、「Cosmos」、ほか

文=仲田しんじ

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