千葉県「東京湾観音」の本当のやばい楽しみ方をルポライター村田らむが徹底伝授！ 心霊、自殺、中古CD、芥川龍之介…超ディープスポット！

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　拝観料500円を払って、施設内に入った。

　真下から見る東京湾観音はやはり迫力がある。ただ、ちょっと気になるところもあった。脇の下にカゴがついているのだ。

　お釈迦様は摩耶夫人の右脇から生まれたとされるが、子どもが生まれた時に下に落っこちないためのストッパーだろうか？

『拝観入口』と書かれた看板の矢印に沿って進むと、観音様の胎内に入る入り口があった。

　東京湾観音はコンクリート製の仏像なので、館内はコンクリートの打ちっぱなしだった。モロにコンクリートという感じだ。

　コンクリートの壁にたくさんの、祭具などが並べられている。お賽銭箱、鐘、鳥居っぽいもの、仏壇っぽいもの、などなど。千羽鶴や木製の不動明王なども置かれている。全体的になんの宗教かよくわからない、怪しげな雰囲気になっている。ハッキリいうとカルト新興宗教みたいである。

　観世音菩薩は、起源がハッキリしていないのでそこそこいい加減な設定であっても別に良いのかもしれない。

　螺旋階段を登っていくと、コンクリートの壁に様々な彫像が展示してある。木製の七福神、仏陀、文殊菩薩、聖徳太子、大日如来、などなど様々である。

　中でも目を引いたのが、マリア観音だった。

　マリア観音とは、江戸時代のキリスト教弾圧時代、隠れキリシタンが聖母マリアに似せて作った観音像である。芥川龍之介が所蔵していたことでも知られている。

　マリア観音は『観音像に擬態したマリア像』なのだから、観音像の中に展示してあるのもなんか変だよなあと思う。

　そしてその造形がなかなか恐ろしい。トドのようなずんぐりした体型で全身が黒い。無表情のまま赤ん坊のキリストを抱いている。赤ん坊も無表情でなんとも不気味である。子どもが一人で登ったならトラウマになりそうな置物だった。

　そんな置物を見つつ、螺旋階段を登っていくと明るい場所に出た。

 
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