全世界で危険性が指摘されるモンサントの農薬、日本で在庫一掃セールか!? 流れに逆行するこの国のヤバさを知れ!

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撮影=久野友萬

 ドイツ発の世界的医薬品メーカー・バイエル社。2019年5月18日、その日本法人が入居するビルの前でデモ隊が声を上げた。

「ノー、ノー、モンサント! ノー、ノー、ラウンドアップ!」

 モンサント社(現在は世界的医薬品メーカー・バイエル社に買収され、その名は消滅しているが今回は便宜上モンサントと呼ぶ)は、世界で一番嫌われている企業かもしれない。アメリカ・ドイツ・フランスをはじめ世界48カ国の反対者が、一企業に対して同時多発的にデモを起こすという、そんな運動が続いているのだから。

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画像は「modern farmer」より引用

■世界中で負けまくっているモンサント

 モンサントが嫌われている一番の理由は、除草剤の「ラウンドアップ」と遺伝子組み換え作物を販売しているからだ。ラウンドアップは、雑草も野菜もすべて枯らしてしまう。そこでモンサントは、ラウンドアップに耐性を持つ土壌細菌の遺伝子を苗に組み込んだ作物「ラウンドアップレディ」シリーズを開発。さらに、遺伝子組み換え技術を汎用化し、高糖質のとうもろこしや高収穫の小麦なども販売している。

 反モンサント派はラウンドアップには発がん性があり、遺伝子組み換え作物には環境に悪影響を与える毒性があるとする。事実、モンサントはラウンドアップの発がん性を争点とする数々の裁判を末期がん患者などに起こされ、負け続けている。2018年8月10日にカリフォルニア州裁判所が約320億円、2019年3月27日に同裁判所が約88億円、同じく2019年5月13日に約2200億円、それぞれモンサント側から原告側に支払うよう命じたのだ。

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食用作物に噴霧されるモンサントの除草剤 画像は「Wikipedia」より引用

 裁判の舞台がカリフォルニア州のみであり、バイアスがかかっている可能性もあるが(今年8月にはミズーリ州でも評決が下される予定)、それでも3件の敗訴はラウンドアップの主成分であるグリホサートに発がん性が潜むことを意味しているのではないか? 2019年1月にフランスがグリホサートを使った薬剤の販売を全面禁止、2018年にドイツの大連立交渉ではグリホサートを(将来的に)原則禁止とすることで合意、チェコとベルギーは2019年中に発売禁止とすることを議会で決定している。モンサントには面白くない世界的な流れができつつあるわけだ。

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