犬猫にマイクロチップ、発がんリスクが指摘されていた! マウス実験で判明、死亡例も…義務付けの怖いリスクとは?
今月12日、犬や猫に所有者の情報を記録したマイクロチップの装着を義務付けることなどを柱とする改正動物愛護法が参院本会議で全会一致で可決、成立した。改正法では販売業者にマイクロチップの装着と所有者情報の登録を義務付ける他、飼い主には装着の努力義務と情報変更の届出を義務付ける。マイクロチップの義務化は3年以内に始まる。
・犬猫にマイクロチップ義務付け=虐待罰則も強化-改正動物愛護法成立(時事ドットコム)
マイクロチップは直径約2mm、長さが約12mmの円筒形で、電子標識をガラスカプセルで包んだ小さな器具だ。獣医師に皮下に埋め込んでもらわなければならないが、一般的な皮下注射と変わらず、動物たちへの負担はほとんどないとされている。すでに迷子対策として自主的に埋め込んでいる飼い主は多いだろう。
海外の多くの国ではペットのマイクロチップ装着が義務化されている。マイクロチップはすでに世界中の多くの動物(人間含む)が装着しているが、そのほとんどで問題は起きておらず、毎月迷子になったたくさんのペットがマイクロチップのおかげで飼い主に再会しているという。しかし、メリットが強調される一方で、そのリスクを不安、危険視する声も根強い。とりわけ危惧されているのは、マイクロチップが動物のガンの原因になっているのではないかという問題である。
ペット情報サイト「The Spruce Pets」もこの問題について取り上げている。記事によれば、マイクロチップの埋め込みには怪我や感染症を起こす可能性がある他、装着した部位に腫瘍ができることがあるというのだ。しかし、記事ではその可能性は1%に満たず、リスクを上回るメリットがあるとしてマイクロチップの装着を勧めている。
だが、逆にマイクロチップに反対する人々もいる。犬の情報サイト「Dogs Naturally」では、英国小動物獣医協会(BSAVA)の研究を取り上げている。この研究によれば、マウス実験でマイクロチップに発ガン性があったことや、世界各地でマイクロチップを埋められた動物にガンが確認されているというのだ。また、マイクロチップ埋め込み手術でペットが死亡した事例や、マイクロチップで神経を傷つけられて障害が起きたケース、またマイクロチップが移動してしまった例もあるとし、その危険性を訴えている。
改正法の成立で、日本でもこの種の議論が活発になるのは間違いないだろう。幸いなことに、海外に多くの事例や研究が存在する。大切なペットを守るために飼い主に何ができるのか、ますます多くのことを学び、選んでいかなければならない時代が訪れている。
参考:「時事ドットコム」「The Spruce Pets」「Dogs Naturally」ほか
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