人が消える部屋…不動産執行人が遭遇した超ミステリー物件を暴露

――DV・自殺・暴力団・宗教・統合失調症…事故物件よりも鬱になる「暗黒物件」の闇を“不動産執行人”ニポポが語り尽くすシリーズ…!(これまでの過去記事はコチラ


◆突然10人が消えた船

 最も有名な幽霊船話の一つ。

人が消える部屋…不動産執行人が遭遇した超ミステリー物件を暴露の画像1
メアリー・セレスト号。「Wikipedia」より引用

 1872年11月7日、工業用アルコールを運ぶため、アメリカ・ニューヨークの港からイタリア王国のジェノヴァに向けて船員とその家族10名を乗せ出港するのだが、そのまま消息を絶ち、同年12月4日カナダ船籍の船により無人のまま漂流しているところをポルトガル沖で発見されたメアリー・セレスト号。

 遭難信号は出されておらず、残された航海日誌にもトラブルや事故の記録は確認されなかった。

 ただ忽然と乗員10名全員が消えていたという。

 有名なエピソードとして発見時に乗員が直前まで生活していた痕跡があるとして、以下のような内容が語られている。

「食卓には食べかけの食事、温かいコーヒーが残されていた」
「火にかけられたままの鍋があった」
「洗面所には髭を剃るなど身支度を整えている最中だった痕跡が」

 今となっては、これらが後の脚色であったことも判明しているが、それでもなお「魔の海域バミューダトライアングルに飲み込まれたのでは」「意図せずタイムトンネルを通過してしまったのでは」といった噂が後を絶たない――。

人が消える部屋…不動産執行人が遭遇した超ミステリー物件を暴露の画像2
画像は「getty images」より引用

 

 なぜ唐突に「メアリー・セレスト号事件」のエピソードを持ち出したのかといえば、これらを彷彿とさせる差し押さえ・不動産執行の案件があったからだ。

 この日の執行は昨今増えつつあるマンション管理費滞納から発生する差し押さえ。

 それもかなり長期にわたる滞納で数百万円という金額が未払いとなっていた。

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