一度触れただけで死ぬ「チェルノブイリの爪」とは!? 半永久的に終わらない原発事故の悪夢、33年を経ても絶望しか感じない現実
2019.07.28 12:00
ウクライナ北部の森の中に、世界で最も危険な“かぎ爪”が放置されている。うかつに近づこうものならすぐさま致死量の放射能が浴びせられるのだ。
■触れただけでも致死量の被ばくをする“チェルノブイリの爪”
クレーン車の鋼鉄製アタッチメントの“かぎ爪”がウクライナ・プリピャチの森の中に遺棄されている。そしてこれは、この世で最も危険な“チェルノブイリの爪”なのだ。
ウクライナ・プリピャチは、1986年に起きたチェルノブイリ原発事故によって全住民が避難した無人のゴーストタウンである。事故直後、この地に飛散した放射性物質の回収に追われたであろうクレーン車などの車両系建機の数々だが、過酷な作業を通じてかぎ爪の放射線量があまりにも高まり、こうして遺棄されることになったものと考えられる。
オーストラリアの考古学者でチェルノブイリ事故調査の専門家であるロブ・マクスウェル氏は、2010年と2011年の調査でプリピャチの立入禁止区域内に入り、この“チェルノブイリの爪”を発見した。この爪はきわめて放射線量が高く、たった一度触れただけでも致死量の被ばくをする可能性があるということだ。
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