一度触れただけで死ぬ「チェルノブイリの爪」とは!? 半永久的に終わらない原発事故の悪夢、33年を経ても絶望しか感じない現実

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「News.com.au」の記事より

 ソビエト連邦当局は、月面探査プロジェクトで多大な費用をかけて開発した月面探査車両さえもこの地に投入したという。

 米テレビ放送局「HBO」のドキュメンタリー番組で、最近になってチェルノブイリ原発事故を題材にした番組が放送されて大好評を博し、この33年前のチェルノブイリの事故について一般の関心が高まっているという。その影響も手伝ってかウクライナ・プリピャチを訪れる者や立ち入り禁止区域内に入る者の急増を招いているということだ。

 チェルノブイリ原発の爆発は1986年4月26日の早い時間に起こった。その時の一連の爆発によって、広島原爆の400倍以上の放射性物質が大気中に放出されたといわれている。爆発による死者数はまだ議論の余地があるということだが、国連によれば4000人とされている。

 最初の爆発後の36時間以内に最大35万人が避難せずに周辺地域にとどまっていたといわれている。さらに事故以来33年間で500万人を超える人々が、この地域の放射汚染がひどいエリアに一度は居住したという。

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「Daily Mail」の記事より

 そして約11万6000人が原発周辺の立ち入り禁止区域から永久に避難し、プリピャチをはじめとする村や町は廃墟になったのだ。この地域の放射線量はまだ人間が住むには高すぎるのだが、野生動物の中にはこの地域に戻ってきたものもいるという。

 翻って2011年に福島第一原子力発電所事故を経験している日本にとっても、ここウクライナ・プリピャチの現在の様子からさまざまなことが学べるのかもしれない。

参考:「Daily Mail」、「News.com.au」、ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
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