ジェンダー・ニュートラルは幻想か、ヒヒの実験結果に驚愕
ヒヒの男児はクルマの玩具で遊び、女児は人形で遊ぶと判明! ジェンダー・ニュートラルは幻想か… 明白な性差に学者困惑
■好みの玩具の性差は霊長類レベルで存在するのか
英・イーストアングリア大学の進化心理学者であるベン・ガロッド教授は、この件について性急な判断を行うことには慎重であるようだ。
「多くの場合、人間の子どもが好む玩具は性別によって明らかに異なっています。私たちが知らないのは、それがどれだけ前にさかのぼるものであるのかということです。それは自然なものなのでしょうか。それとも養成されたものなのでしょうか」(ベン・ガロッド教授)
番組の中でも、ヒヒの子どもたちが見せたこの興味深い遊びの様子にフォーカスしている。
「このテストは、人間の行動を取り巻く古くからの問題に光を当てます。男性と女性は異なる方法で遊ぶように生物学的にプログラムされているのか、それとも両親や仲間からの社会的影響の結果としてみられる違いなのでしょうか」(番組より)
番組は性差が「著しい」ものであると結論づけているようだ。つまり霊長類のレベルでも女児は人形を好み、男児はクルマで遊ぶということになる。
「遊びというのは、単なる娯楽や競争以上のものなのです」と、番組を手掛けた制作会社「Offspring Films」のディレクター、アレックス・ウィリアムソン氏は語る。
「遊びは動物の発育、そしてある場合においては生存にとって不可欠なものです」(アレックス・ウィリアムソン氏)
番組ではこのヒヒの子どもたちだけでなく、チーターやゾウ、チンパンジーやオウム、ハイエナなどさまざまな動物の“遊び”を紹介している。
ハイエナは“遊び”を通じて集団行動を学び、大きな動物を協力して倒すための練習を行っているという。またチンパンジーは誰が信頼できるのかを理解するための手段として“遊び”を活用し、一方でオウムにとっての“遊び”は純粋な娯楽のように見えるということである。
「私たち人間にとっても、社会的な遊びは不可欠です。それは良い食事と運動と同じくらい重要です」(ベン・ガロッド教授)
ジェンダー・ニュートラル玩具についての議論はともかく、人間も動物も幼児期の“遊び”が知育の発達と社会性の醸成のためにきわめて重要であることは間違いないのだろう。
参考:「Daily Mail」、「News Hub」、ほか
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