マリファナが吸える焼き肉屋が中央線沿いに!? 伝説の大麻専門誌『BURST HIGH』元編集長が激白した本物の「マンチー企画」

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画像は「Getty Images」より引用


 その記念すべき第1回は、中央線某駅にある「焼肉屋」であった。

 そういや焼肉屋では1卓1卓に換気用の煙突がある。マリファナの煙も焼肉の煙といっしょに吸われてしまうわけだ。店員や客の眼さえなければバレることはないだろう。

 その店は人気店だが、夕方早い時間なら、2階はたいがい空いているという。そこで2階の卓を予約し、夕方の5時から焼肉を始めた。

 メンバーは私をふくめた編集者が3人。ライターX。そしてカメラマンの5人である。

 各種の肉と生ビールを頼み、用意が整ってから、さっそくマリファナを詰め込んだ「葉巻」を私から吸い始めた。

 当時、スヌープ・ドッグらの黒人ラッパーがマリファナを葉巻で吸っていたため、日本でもごく一部のラッパー界隈で、葉巻が流行り始めていたからだ。

 肉を焼きながら、大麻葉巻を吸い、その煙を煙突へ吹き出す。それをカメラマンが撮る。

 はい、撮影終了。取材時間3分。あとは吸いながらの酒盛りである。

 次号の『BURST HIGH』にて、見開き2ページ写真1枚で「東京いい店吸える店」第1回が掲載された。

 で、連載はこの初回で終了。

 そりゃそうだろ。店の名前は出せないし、焼肉と葉巻と煙が写っているだけの「出落ち」だもの。

 まあ、馬鹿な企画だが、ここで言いたいのは、決してやらせじゃなく、本当に焼肉屋でマリファナを吸ったことである。写真や文章に嘘はなかったのだ。

 その後、「マンチー・クッキング」や「LSDテーマパーク・ガイド」等の実践企画をやることになるのだが、そのたび本物のブツを用意し、それを喰ってルポをページにまとめた

(それらの思い出は次回以降に)

 最後に、私が見つけたマリファナに1番合う飲食物は、カクテルの「ブラッディ・メアリー」である。

 塩胡椒、ウスターソース、タバスコ、レモンを足した「ウオッカ出汁の冷製トマトスープ」は、まさに「出会いもの」だ。ぜひ、御賞味あれ。

<トカナで連載中のBURST執筆陣>
ケロッピー前田(身体改造とサブカル)
石丸元章(ドラッグと文学)
釣崎清隆(ジャーナリズム・死体写真)
福田光睦(アングラ・闇カルチャー全般)

文=曽根賢

元「BURST」編集長、ピスケンこと曽根賢。のちに『TATTOO BURST』『BURST HIGH』などを編集。その後は作家に転身し、2000年に『バースト デイズ』で第22回野間文芸新人賞候補に。近著に短編小説集『The Shelvis 7インチ盤小説3部作』がある。
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