200年前の「ヴァンパイア」の亡骸、ついにDNA鑑定で身元判明! 骨に刻まれた謎文字「JB55」、親族が“とどめを刺した”形跡も!?
1990年、米コネチカット州グリズウォルドの砂利採石場で大昔の木棺が出土した。棺には遺骨が横たわっていたが、実に異様な光景だったという。頭蓋骨の下に2本の大腿骨が交差されていたのだ、まるで海賊船の旗に描かれる「髑髏マーク」のように――。
■遺族が遺体を掘り起こす「ヴァンパイア信仰」とは
色めき立った考古学者たちは、この遺骨の並び替えから「おそらく『ヴァンパイア信仰』と関連がある」と発表した。しかしその後、これという手がかりもなく、研究は手詰まりとなってしまった。
そして今、約30年の時を経て、デラウェア州ドーバーにある米軍監察医システム(AFMES: Armed Forces Medical Examiner System)のDNA研究所が最新科学の粋を集めた研究と分析の結果、木棺に眠るドラキュラとされた人物は「ジョン・バーバーという貧しい農夫」であることを突き止めた。今年7月23日、メリーランド州シルバースプリングの国立健康医学博物館で公式発表されたという。
今から200年前、19世紀初頭のある日、アメリカ北東部ニューイングランド地方の墓地では1人の男の墓が暴かれていた。彼の遺族が心臓を丸焼きにしようと掘り起こしたのだが、埋葬してから4~5年経過していたため、すでに分解が進み臓器は跡形もなかった。
そこで遺族は、とりあえず遺骸の胸骨を打ち砕き、骨を並べ替え、再び棺の中に戻すことにした。棺の蓋には真鍮の鋲で“JB55”と、男のイニシャルと年齢が打ちこまれていた――そう、ジョン・バーバーだ。
だが、なぜ墓を掘り返して、わざわざ心臓を焼こうとしたり、骨を奇妙な形に組み直したりしたのだろうか。実は当時、人が結核で亡くなると、死んでから墓を抜け出し、家族に感染させるという「ヴァンパイア信仰」があったからだ。今で言えば、ゾンビだろうか。
そのため、死因が結核の者は「掘り起こして、とどめを刺す」という身の毛もよだつ「治療的発掘」が慣習だったそうだ。掘り起こした遺体の心臓に血液が残っているかチェックし、もし残っていれば、亡くなった人は吸血鬼である確率が高いと判断されるということだ。
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