宇宙を引き裂く「トランポリン型ミラーレーザー」誕生へ! 真空が崩壊、お手軽に世界滅亡!

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画像は「Futurism」より

 宇宙に穴を空ける超強力レーザーが話題になっている。

 海外人気科学ブログ「ars TECHNICA」(9月14日付)によると、この度、パリ・サクレ大学の科学者アンリ・ヴァンサンティ氏が「トランポリン型ミラー」を使用したレーザーの理論的仕組みを最も権威がある物理学速報誌「Physical Review Letters」に公開したという。

 このレーザーがどれぐらいすごいかというと、なんと従来のレーザーの1000倍の強度! 以前トカナでもお伝えしたように、現在中国で100ペタワットの高出力レーザーが開発されているが、それを遥かに超える性能だ。

※テラ=10の12乗、ペタ=10の15乗、ヨタ=10の24乗

 現在、世界最高のレーザーはおよそ5~10ペタワットである。しかし、この出力では真空に作用することはできない。「ars TECHNICA」によると、1テラワット/cm2でプラズマが生成され、10ヨタワット/cm2で真空から電子と陽子を生み出すことができるという。

 だが、10ヨタワットに到達することは現状のレーザーでは不可能だ。それだけのレーザー光に耐えうるだけの素材がないそうだ。ところが、ヴァンサンティ氏のアイデアはこの問題を見事解決したという。

 冒頭でも言及した「トランポリン型ミラー」がここで効いてくる。このミラーは単なる鏡ではない。プラズマでできた反射板である。プラズマは粒子を伝達するガスのようなものだ。その上では電子が簡単に動き回ることができる。このプラズマに光を当てると、電界に沿って電子が加速し、電子は光を吸収して反対方向に放射する。つまり、光はプラズマに反射される形になるのだ。

 さらに、このプラズマ表面は超高速で振動しているため、ここに当たった光は高い周波数を得ることになる。鏡となったプラズマは、全ての周波数の光をトランポリンのように跳ね返し、その周波数は倍増していく。その結果、レーザーは1000倍の強度を持って照射されるというのだ。現行の5ペタワットのレーザーでも5000ペタワットの出力を得られる計算になり、中国が開発中の100ペタワットのレーザーを軽く超えてしまう。

 しかも、「ars TECHNICA」によると、このアイデアは実現可能なものだという。必要となるのはプラズマを生み出す低出力のテラワットレーザーと、そのプラズマにぶつける高出力レーザーがあればできることであり、研究施設で容易に実験できるとのことだ。

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画像は「ars TECHNICA」より

 しかし、取り返しのつかない最悪の事態を招く恐れもある。宇宙が崩壊するかもしれないのだ。

 古典力学において真空とは物質もエネルギーもない空間だが、量子力学においては最も低いエネルギー状態にあることを示す。宇宙が真の真空であるか、それとも見かけ上の準安定状態(偽の真空)なのかは今のところ不明である。だが、超高出力レーザーを使った高性能加速器があれば確かめることができる。

 ところが、この実験には物理学者スティーブン・ホーキング氏をはじめ、多くの科学者から警告がなされている。もしもこの宇宙が偽の真空だった場合、実験により生じた真の真空が一瞬にして世界を崩壊させてしまう可能性があるというのだ。それが「真空の崩壊」である。

 簡単にできる実験とはいえ、リスク評価は慎重に行う必要があるだろう。進化の果てに角が大きくなりすぎて絶滅したオオツノジカのように、科学の進歩により人類が自ら絶滅を招いてしまわないことを願うばかりだ。

参考:「ars TECHNICA」、ほか

編集部

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