超怖い現代のゴーストタウン「田浦廃村」に潜入!ビビって足がすくむレベル、殺せの張り紙…横須賀の廃村を村田らむがルポ!
おそるおそる先に進むと、分かりやすくボロボロになった小屋が出てきた。壁には穴があいているし、天井は蔦などの植物ですっかり覆われている。
そこには手書きの看板が張られていた。ハイキングコースと、駅と商店街への行き方を示す簡単な案内図だった。山中にはホタルの名所があり、遊びに来る人もいたようだ。
さらに奥に進むと、立派な一軒家がある。古民家ではなく、よくある現代的な建物だ。窓は誰かの手によって開け放たれていた。
外から中を覗くと、少し荒らされているものの、住んでいた当時の様子は残っていた。目立つところに97年のヤングマガジンが転がっている。タレントの『パイレーツ』がグラビアで、巻頭カラーは『カイジ(福本伸行)』だった。
後で調べた所、パイレーツのデビューしたのがこのヤングマガジンだった。「だっちゅーの」のフレーズでブレイクする直前だ。『カイジ』も現在も連載が続いているから最近の漫画な気がするが、はじまったのはもう20年以上前なのだ。
床には雑誌、タバコの空き箱、日用品の中になぜか赤いブルマが落ちていた。誰かがいたずらで置いたのかもしれない。ブルマ自体見たのがずいぶん久しぶりなので少しだけノスタルジックな気持ちになった。それ以外にも、不思議なくらいたくさんの荷物が残されていた。
その家が廃屋になったのは、随分前なのにまだ生活感は残っていた。
家の外には『関係者以外立ち入り』の張り紙がしてあり、黄色いスプレー塗料で『8』と書かれていた。
人がいなくなった建物に数字を書くというのが、なんだかゾンビ映画やパンデミック映画のようで、背筋がゾクッとする。
さらに先に進むと、他の家も入り口は板などで打ち付けられ、立入禁止の張り紙とナゾの数字が書かれていた。
木像建ての古い家屋の多くは崩壊していたが、現代的な建築物はさすがの丈夫さで、20年くらいの放置ではそれほど傷んでいなかった。ただ植物はぐんぐんと野放図に生えていた。室内を枝で覆い尽くし窓から飛び出している場所もあったし、重みで柵をへし折っているところもあった。ジャングルのようになってしまった庭もある。道路はまるで土の道かと見まごうほど、落ち葉が積もっていた。
植物は『おとなしくて動かない、意思のない弱い生物』なんて言われることがあるが、こういう植物に侵食された場所に来ると、生物としての強さをまざまざと見せつけられる。彼らは意思もあるし、動く。人間とはやり方や速度が違うだけだ。
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