ドイツ、23年までにモンサントのグリホサート禁止へ! 人体や生態系に害と判断…なのに日本は規制緩和

■EU各国でグリホサートの禁止・規制

 グリホサートを禁止する国は、ドイツだけではない。

 グリホサートの使用を禁止した最初のEU加盟国はオーストリアで、その後、チェコ共和国、イタリア、オランダでも規制が施行された。フランスも同様に、2023年末までに段階的に廃止する予定である。

 ドイツの総合化学大手バイエル社は、昨年6兆7億円かけてモンサントを買収した。バイエル社の研究者と規制当局は、グリホサートとラウンドアップを人間が使用しても安全だと述べている。

 しかし買収以来、約2万人がバイエル社に対して訴訟を起こし、グリホサートの使用により、さまざまながんが発生したと主張している。

ドイツ、23年までにモンサントのグリホサート禁止へ! 人体や生態系に害と判断…なのに日本は規制緩和の画像3
「E360」の記事より

 一方、ドイツ化学工業協会(VCI)も、ドイツ政府のグリホサートを禁止するという発表に不満を表明している。

 同様にドイツの農業グループも、バイエル社の子会社モンサントの「ラウンドアップ」の継続使用を働きかけ、「農業をバッシングすることをやめる」よう住民に促している。

 バイエル社はドイツの決定を一方的だと批判し、この製品は安全に使用可能で、「農業の持続可能性と生産性の両方を確保するための重要な道具」であると主張している。

 ドイツの大手企業であるバイエル社の製品を、ドイツ政府は禁止する決定を下した。それほど、「ラウンドアップ」の危険性が無視出来ないものであるからだろう。

 しかし、日本ではいまだに「ラウンドアップ」が、平然とホームセンターで売られている現状で、なんと日本政府は昨年12月、グリホサート残留農薬基準の大幅緩和を実施。米国では巨額の賠償金の支払いを命じられたバイエル社であるが、日本政府は「全然大丈夫」と考えているようだ。日本の政治家にとっては国民よりも大企業を守る方が、重要らしい。

参考:「The Guardian」、「DW.COM」、「E360」ほか

文=三橋ココ

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