サルがテレビゲームで人間に勝利、しかも圧勝! 猿は人間より有能であるとガチ判明…衝撃の大学実験!
違いは最初にショートカットが出現したときから明白だった。70%のサルがいきなりショートカットを試してみて、その後は20%のサルが可能な限りショートカットを使う戦略にシフトしたのである。だが人間の被験者のうち、最初にショートカットが出現したときにクリックしたのはわずか一人で、61%は何度ショートカットが現れてもクリックしなかった。ショートカットを積極的に使う戦略を取ったものは誰もおらず、律義に四角形を順番通りにクリックし続けたのである。
実験結果が示すのは、サルが人間より明らかに効率的にゲームをプレイしているということだ。ショートカットを使っている様子を見せたり、「いろいろなやり方を試してほしい」と説明したりした後のプレイでも、人間の被験者では最初の手順を守り続ける者が多かったそうだ。
ヴァツェク氏によれば、人間は教えられた手順を順守して、近道を使うべきではないという意識に囚われがちなのだという。非効率だとわかっていても、古臭いやり方にこだわって別の方法や新しい手段を試せず、結果、機会を損失してしまう――誰もがこんな失敗に心当たりがあるはずだ。
人間のこのような傾向について、ヴァツェク氏らは教育システムによる影響を考えている。とはいえ、別の研究者らがナミビアの半遊牧民で同じテストを行ったところ、ショートカットを使ってみるのは早かったというが、やはり半数が手順を守り続けたという。また、動物園に遊びに来ていた7~10歳の子供では、大人より4倍ショートカットを使う率が高かったが、それでも半数以上が最初の手順通りにやったそうだ。
また、研究者らは別の可能性も指摘している。人間は簡単に新しいルールを覚えることができるが、その方法を取るメリットが小さければ最初の方法を繰り返す傾向があるのではないか、という可能性だ。イレギュラーに現れるショートカットを使うより、いつも同じ手順を繰り返していた方が、総合的にミスを減らせるという考え方である。確かにそう考えると、ショートカットを使わない戦略にも一理あるといえるだろう。
人間とサルで同じ問題に対するアプローチの仕方が異なるというのは興味深い。人間は案外、柔軟に物事を考えることが動物よりも苦手なのかもしれない。今年4月、サルに人間の遺伝子を導入し、その脳を人間のように発達させるという研究が報道されたが、そうして人間のような脳を獲得したサルは一体どちらの戦略を好むのだろうか?
参考:「Live Science」「Daily Star」「Scientific Reports」ほか
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