轢死した動物は食べられる?“屍”のジビエ化
車に轢かれて死んだ動物の肉は食用になるのか?“屍”のジビエ化は可能か検証
野生の鳥獣の肉を使ったジビエ料理は一部で根強い人気を保っている。その調達のための狩猟となると、なかなかハードルが高いともいえるが、まれにシカやイノシシが車に轢かれて路上で死んでいることもある。ではそうした“屍”は、はたして食べられるのだろうか。
■轢死した路上の動物の屍は食べられるのか?
巨大車社会のアメリカでは日本以上に動物の交通事故死(ロードキル)が多い。こうした不幸な動物たちは日本では犬猫が中心だが、アメリカの自然が豊かなエリアではシカやイノシシの轢死もそれなりの割合を占めている。
ほとんどのドライバ―はこうした動物の死骸を見てもスルーするだろうが、意外なことにアメリカの多くの州では、こうした死骸を回収して消費することを許可しているというから興味深い。しかし路上の死骸を食べても安全なのか?
コンドルやタカなどの猛禽類がこうした死骸をエサにしている以上、毒ではなさそうだが、それでも普通は食用にするなど考えてもみないだろう。しかし最近、こうした路上の動物の死骸の消費をむしろ推奨するトレンドがアメリカで生まれてきているというから驚きだ。
すでにバーモント州、ワシントン州、オレゴン州、ペンシルベニア州をはじめとする20を超える州が路上の動物の死骸を食消費することを合法化しているが、先日にはカリフォルニア州が新たにこのグループに加わった。その背景にはシカをはじめとする野生動物のロードキルの増加と、処理する地方行政側の負担増があるようだ。
ではこうした死骸の消費に興味を持った場合、どんなことに気をつければよいのか。バーモント州魚類野生生物局のニコール・マイヤー氏が、消費可能な動物の死骸の見分け方を科学系メディア「Live Science」で解説している。
死骸を見てまず最初に見極めることは、死因となった交通事故の前に、その個体がけがをしていたり、何らかの病気にかかっていなかったのかを確認することであるという。明らかに不健康な姿をしていた場合、回収は避けるべきである。
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