「40年前に火星で生命発見」が事実の可能性! 事実隠蔽か? NASA主任が「再検証」要求、2020年に動き
数十年以内に地球外生命体が発見されるとも言われているが、実は40年以上も前に地球外生命体は発見されていたかもしれない。
1970年代に行われたバイキング計画では、火星表面に着陸した2台の火星探査機に、生命の痕跡を探すための実験装置が組み込まれていた。実験は4種類あり、いずれも呼吸や代謝などで発生する生物由来の化学物質を検出しようという試みであった。そして、同プロジェクトをデザインした当時のNASA主任調査官ギルバート・レヴィン氏は、火星に生命がいる証拠をこの時に発見したのである。
レヴィン氏の関わった実験は「ラベル付きリリースによる生命検出実験(通称;LR実験)」と呼ばれるもので、放射性炭素でラベル付けした栄養素を含む水溶液を火星の土壌サンプルに滴下し、しばらく培養して、放射性炭素を含むガスが発生するかを観測するものだ。もしサンプル中に生物がいた場合、滴下された栄養素から放射性炭素を体内に取り込み、放出する呼気の中にはその代謝産物が含まれるだろう……というシンプルな原理に基づいているが、地球上でも衛生検査などで応用されている確度の高い方法の一つである。
だが、NASAはこれを別の化学反応によるものだとし、「生命の証拠ではない」と結論付けた。英「inews」(12月25日付)によると、これまでにレヴィン氏の結論を説明しさる(explain away)40余りの理論が発表され、偏執的なまでに否定されたという。
一方、レヴィン氏は「ガスがたちまち検出されて我々はド肝を抜かれました。しかも、7日間の実験中ずっと検出され続けたのです」と語り、NASAの結論に不満を抱いている。とはいえ、当のレヴィン氏も当初はその結果に懐疑的だったそうだ。そのため、紫外線が土壌に含まれる成分と化学反応を起こしたことで炭素ガスが発生したと考え、岩の下の地中から土壌サンプルを採取した。しかし、そのことを裏付ける科学的な証拠はなかった。次に火星大気と地表の過酸化水素が原因だと睨み、データを分析したが、それでも有力な証拠は見つからなかった。
このように徹底した科学的懐疑の上で、レヴィン氏は生物がガスを発生させたとしか考えられないと結論付けたのだ。
頭の固いNASAと決着をつけるには、火星でLR実験を再度行うしかないとレヴィン氏は考えているが、どの国の宇宙開発機関も現時点では乗り気でないようだ。
そのため、当面の間レヴィン氏は、欧州宇宙機関(ESA)が2020年に打ち上げを予定している火星探査機ロザリンド・フランクリンが行う実験の1つである「Habit」に参加するという。同実験は、夜明けの火星表面で小さな水たまりを探すことが目的とのことだ。火星に生命が存在する直接的な証拠にはならないが、ロザリンド・フランクリンは火星生命に関係する化学物質の発見もミッションの1つであるため、もし何らかの痕跡が見つかれば、NASAもレヴィン氏のLR実験を見直さざるを得なくなるだろう。
もし再実験でレヴィン氏の結論が正しかったことが証明されれば、我々は40年前に発見したものを探し続けていたことになる……。今後のレヴィン氏の活躍にますます期待したい。
(編集部)
参考:「inews」、ほか
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