脳に「意識のエンジン」があることが米大学研究で新判明! 電気刺激で覚醒する“極小部位”とは!?
今回の発見は医学的に非常に有益な研究であることは間違いない。ただ、脳の特定の部位を刺激したことで、意識が起動されたからといって、脳=意識だと考えるのは早合点だ。
最近流行りの哲学者マルクス・ガブリエルが『私は脳ではない』(講談社)で指摘しているように精神や意識活動は脳がなければ発生はしないが、脳とイコールであるとは考えられない。同書はその理由をいくつも上げているが、ここでは「命題的態度」について紹介しておこう。
命題的態度とは、「コロナウイルスが流行していること」という命題に対してとる恐れ、怒り、不安といった態度のことである。「コロナウイルスが流行していること」というのは客観的な事実であるが、「コロナウイルスが流行していることを恐れている」は主観的である。
ガブリエルは、命題的態度なしに意識は成り立たないとするが、これに対し、「消去主義的唯物論」と呼ばれる哲学説を提唱する哲学者のポール・チャーチランドは、命題的態度の実在を疑っており、脳科学の進歩とともに脳の物質的なあり方として捉えられるようになるとしている。しかし、ガブリエルはチャーチランドの態度に矛盾を見出す。なぜなら、チャーチランドは「命題的態度が存在することを“疑っている”」からだ。疑うとは命題的態度に他ならない。疑うことなしに一体どうやってチャーチランドは命題的態度に疑問を持つことができるだろうか?
上記の議論が正しければ、物質的なあり方ではとらえられないものが意識には宿っていると言えるだろう。意識と脳は切り離せない。しかし、脳だけでは意識を解明することはできないのである。
参考:「Big Think」、ほか
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2024.10.02 20:00心霊脳に「意識のエンジン」があることが米大学研究で新判明! 電気刺激で覚醒する“極小部位”とは!?のページです。脳、意識、精神、脳科学、覚醒などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで