池上彰の新型コロナウイルス情報「まるで中国共産党の広報」!? エアロゾル感染と突然変異の恐怖！

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　ウイルスというのは動物と比べて遺伝子が極めて変異しやすく、自身は細胞を持たず他の細胞を浸食して複製していく。それを阻止するには浸食された細胞を殺すか、細胞内でのウイルス増殖を止めなければならない。現代医学での治療は他の細菌への感染を防ぐために予防的に抗生物質を投与し、低下した肺の機能を補助するために酸素吸入するぐらいである。そうしながら人間が本来持つ免疫が活性化するのを待つしかない。その耐性を作るウイルス薬やワクチンがたとえ完成しても、万単位で感染者が広がる中で短期間に用意するのは困難で、だからこそ致死率より感染率の方が重要なのだ。

　恐ろしいのは、昨年の発症から1カ月も経って公表した中国政府の隠ぺい体質で、これに気を遣ったWHOや日本政府も自ら危機を大きく叫べなくなり、状況がより悪化した。そんな中で中国経済を理由にドヤ顔で「安心しろ」という池上の話など誰が鵜呑みにできるというのか。
 

文＝青山智樹／NEWSIDER

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