【3.11から9年】なぜ日本人は「自分だけは死なない」と思ってしまうのか!? アナタの命を奪う「認知バイアス」の恐怖を解説
2020.03.11 12:00
■なぜ日本人に多いのか?
このような様々な「バイアス」によって命を落とす人々は、特に日本人に多いと言われる。世界で起きるM6超の地震の20%は日本で発生するほどの地震大国でありながら、歴史を通じて地震による犠牲者が後を絶たないのは、どういう理由なのだろうか。
日本人の多くは、心配性で将来のことをあれこれ思い悩む人が多いにもかかわらず、「正常性バイアス」などによって、災害に関しては「自分は大丈夫」と思い込む。これは、長年戦争がなく、欧米などに比べて凶悪犯罪の発生率も少ないため「平和ボケ」の状態にあることも理由の一つではないか。そのため、「平穏」であることが普通であるという「正常性バイアス」に陥っているのだろう。
このような状況を回避するためには、災害発生後はもちろん、地震や津波の前兆現象が見られた際には、「思い込み(バイアス)」は無いかと自分に言い聞かせ、周囲の状況を客観的に観察した上で行動を起こすことが大切だろう。
参考:『津波からの生還 東日本大震災・石巻地方100人の証言』(三陸河北新報社、「石巻かほく」編集局、旬報社)、『新・人は皆「自分だけは死なない」と思っている』(山村武彦、宝島社)、「消防防災博物館」、ほか
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