「時間を巻き戻しても、物事は元の状態に戻らない」物理研究でガチ判明! ブラックホールが3つ集まると物理法則が完全崩壊

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 時間は巻き戻すことができないが、物理学の法則のほとんどでは時間の方向を気にしない。未来へ向かっても過去に向かっても物理法則は同様に適用される。これを時間反転対称性と言う。

 しかし、科学ニュース「Science Alert」(3月25日付)によると、この度、宇宙には時間反転対称性を破る現象があることが証明されたというのだ。ポルトガル・アヴェイロ大学の天文学者Tjarda Boekholt氏が率いる研究チームが、恒星やブラックホールなど3つの重量的に相互作用する天体がある場合、時間反転対称性が破れることを突き止めたという。

 Boekholt氏が用いたのは一般にN体問題と呼ばれるものである。ニュートンの運動法則と万有引力の法則に則ると、中心点を周回する同じ大きさの2つの天体の動きは数学的に比較的容易に計算できる。しかし、天体が3つ以上になる3体系になると、互いの重力で軌道が乱され。2つの天体では単純だった相互作用にカオス的な要素が付け加えられる。古典力学はもちろんのこと、一般相対性理論でも、その軌道を完全に記述できる公式は存在しない。

 もちろんその軌道計算はコンピュータシミュレーションによって行われるわけだが、これまでの試行で3体系のシミュレーションはしばしば時間反転対称性を破ることが知られていた。だがこれまで、時間反転対称性の破れが3体系そのものによるものか、シミュレーションのバグかは判別がついていなかった。

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 そこでBoekholt氏らは、精確にN体問題をシミュレートできるBrutusと呼ばれるシミュレーションコードを開発し、3体系の時間可逆性をテストしたという。古典力学に従えば、3体系の軌道は時間を巻き戻しても初期状態を再現するはずだ。

 シミュレーションの流れはこうだ。3つの静止したブラックホールが、それぞれ互いに近づいていき、複雑な軌道を生み出す。そして最終的に3つのうち1つのブラックホールが軌道から弾き出されたところでシミュレーションを止める。

 ここから時間を巻き戻していけば、物理法則は時間反転対称性を持つわけだから、必ず初期状態を復元できるはずだ。ところが、5%の確率で初期状態を復元できないことが判明したのだ。システムを妨害する原因となったのは長さの最小単位であるプランク長(0.000000000000000000000000000000000016m)という途方もない極小の乱れによるものだった。

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