縄文、首刈り族、ミイラのタトゥー…『縄文時代にタトゥーはあったのか』ケロッピー前田緊急インタビュー!

『縄文時代にタトゥーはあったのか?』を刊行したケロッピー前田氏のインタビュー。前編では、縄文時代のタトゥーがどんなものであったと考えられるのかを聞いた。後編では、古代のミイラの医療目的のタトゥー、日本から発信する新しいカルチャーとしての縄文タトゥーについて解説してもらった。

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■古代の人類はタトゥーや身体改造を実践していた!!

――タトゥーというと、日本にはもともと伝統的な刺青があって、若者のカルチャーとしてはファッションという印象もあります。世界的にはどんな歴史があるのでしょう?

ケロッピー前田氏(以下、ケロッピー) 2014年、フランス・パリのケ・ブランリ美術館で巨大タトゥー展『タトゥーを彫る人、彫られる人』が1年半にもわたって開催されました。このミュージアムは、日本でいうと大阪の国立民族学博物館みたいなところで、この展示はカルチャーとしてのタトゥーを通じて、人類史を俯瞰する視点が素晴らしく、縄文時代のタトゥー復興プロジェクトを始めるにあったても大いに励みになるものでした。

 欧米における現代のタトゥーの歴史を簡単に振り返ると、19世紀の終わりに電気式のタトゥーマシーンが登場したところから始まっています。それ以前から水夫タトゥーというものがあって、たとえば、マンガのポパイがしている錨のタトゥーのようなものですね。それがマシーンの登場によって、全身にタトゥーした美女がサーカスで人気を得たり、海兵隊などの兵士たちの間で流行したりしました。第二次大戦以降、カウンタカルチャーの時代には、たとえば、ジャニス・ジョプリンがタトゥーを入れて、70年代のタトゥーブームがありました。それでも、当時はバイカーやロッカーなど、タトゥーはアウトローのものというイメージがありました。

 そんな偏見を大きく覆すキッカケとなったのが、1989年に出版された『モダン・プリミティブズ(Modern Primitives)』でした。この本は、アメリカ西海岸で流行しつつあったボディピアス、身体改造、トライバル・タトゥーなどをまとめたもので、特に黒一色で全身をデザインするトライバル・タトゥーは、それまでのタトゥーのイメージを覆すものでした。

『モダン・プリミティブズ』という本は、タトゥーを含めて、身体を改造する行為は、人類の太古の時代からあるカルチャーであることを示したわけです。90年代半ばから、僕が世界のカウンターカルチャーを追うジャーナリストになったのも、すべてこの『モダン・プリミティブズ』の影響です。

 日本でも90年代以降、タトゥーやピアスがファッションとして受け入れられてきましたが、それでも一部の人たちの趣味と思われているところがありました。本書は縄文とタトゥーを結び合せることで、タトゥーがカルチャーであることをもっと広い視点からアピールしたいと目論んでいます。縄文タトゥーは、日本における『モダン・プリミティブズ』の実践なんです。

――なるほど、『モダンプリミティブズ』の流れが縄文タトゥーにつながっているんですね。

ケロッピー そうですね。海外では、失われつつあるタトゥー文化をリバイバルすることも、ひとつのトレンドになっているんです。たとえば、本書では、フィリピンの首狩り族カリンガのタトゥー文化を復興しているロス在住の彫師エル・マナ・フェスティンさんを紹介しています。僕は彼に原始的な手彫りのタトゥーを彫ってもらいましたが、その模様はテレビ番組『クレイジージャーニー』でも放送されています。縄文タトゥーのプロジェクトは、そのような世界のタトゥートレンドの最前線にも応じたものなんです。

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