縄文の文様は「死と再生」のシンボル!? 縄文を現代人の全身タトゥーとして再現する驚きの書とは?
縄文時代と聞いて、思い浮かべるのは、狩猟採集をして暮らす人々、生命力にあふれる縄文土器、宇宙人にも見えなくはない土偶などなどだ。しかし、その縄文時代に生きていた人が全身にタトゥーを入れていたら、まったく想像を超えるワイルドな生活が見えてくる。そんな新しい視点のもとで書かれたのが、『縄文時代にタトゥーはあったのか』(国書刊行会)だ。著者のケロッピー前田氏に、企画の意図と縄文タトゥー、世界のタトゥーカルチャーについて聞いた。

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■「ブラックワーク(黒一色の文様タトゥー)」スペシャリストとの出会い
――本書を読ませていただき、改めてケロッピーさんの縄文タトゥーにかける情熱を感じました。冒頭のタトゥー作品群も目をひきますね。まず、本書を出すキッカケを教えていただけますか?
ケロッピー前田氏(以下、ケロッピー) 僕がタトゥーカルチャーの取材を始めたのは、1992年ごろでした。当時、入手可能な資料を収集するなかで、1969年に出版された高山純の『縄文人の入墨』という本とも出会っていました。ただ、「縄文時代にタトゥーはあったのか」という問題を具体的に考えるようになったのは、もっとずっとあと、2012年に『タトゥー・バースト』(コアマガジン)の取材で、タトゥーアーティストの大島托に会ってからですね。

――その大島托氏はどんな方ですか?
ケロッピー 彼は、黒一色の文様タトゥーで全身を飾る「ブラックワーク」のスペシャリストです。そのようなスタイルは、90年代には「トライバル・タトゥー」と呼ばれて世界的に流行しましたが、ゼロ年代以降、トライバル文様の発祥となったポリネシア(太平洋諸島)で民族タトゥーの復興が進み、伝統に根ざしたものがタトゥーの語源となったポリネシア語「タタウ」と呼ばれるようになって、現代的な作風と伝統的な作風との総称として「ブラックワーク」と呼ばれるようになっています。
托さんは、90年代から世界を旅してタトゥーを学んでいて、ポリネシアやボルネオを訪ねるばかりでなく、石器時代同然の生活をするメンタワイ族や最後の首刈り族ナガ族のもとも訪ね、最も原始的なタトゥーを経験的に学んできました。同時に、ヨーロッパでは現代的なブラックワークの彫師たちとも交流しています。縄文時代のタトゥーの復興プロジェクトというアイディアもまさに彼との出会いのなかで生まれてきたものです。
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