縄文の文様は「死と再生」のシンボル!? 縄文を現代人の全身タトゥーとして再現する驚きの書とは?

■縄文の文様は「死と再生」のシンボルとしての蛇を意味する

――そもそも縄文時代にタトゥーは実際にあったのでしょうか?

ケロッピー 日本の酸性土なので、骨は残っても皮膚が残らないんです。それでも、明治時代からアカデミックな世界で「タトゥーがあったのか」という論争がありました。例えば、高山純は『縄文人の入墨』のなかで土偶の文様はタトゥーだったと書いています。また、紀元3世紀の『魏志倭人伝』には「黥面文身(げいめんぶんしん)」という記述があります。黥面は顔のタトゥー、文身は身体のタトゥーです。『魏志倭人伝』が書かれたのは3世紀ですがその当時にタトゥーがあったなら、その発祥は縄文時代末期にまでさかのぼることができるでしょう。

 さらに僕らは縄文土器の文様はもともとタトゥーとして人間の身体に彫られていたのではないかと考えています。それは本書で解説している縄文やタトゥーについてのリサーチを通じてたどり着いた僕らなりの結論でもあります。

――縄文人はどのような目的でタトゥーを彫ったのでしょうか?

ケロッピー 現代においては、タトゥーは個人的なファッションととらえられています。だから。それぞれの個人が好きなものを入れればいいでしょう。でも、縄文時代では、民族例の習俗としての入墨にみられるように、大人になるための通過儀礼であったり、シャーマンにとっての呪術的な理由、魔除けなどの意味があったでしょう。実際、およそ100年前の沖縄には「ハジチ」と呼ばれる女性の手に施す入墨があり、それは少女が大人になるための成女儀礼といわれました。

 縄文人の世界観については、北海道の考古学者・大島直行先生に依拠しています。直行先生は、縄文の文様は蛇であり、脱皮を繰り替えす蛇は「死と再生」のシンボリズムであるといいます。縄文人は「死にたくない」「死んでも生き返りたい」と願い、縄文を施した土器を作っていたというのです。同様に、もし縄文時代にタトゥーがあったなら、「死と再生」のシンボルとしての蛇、つまり、縄文を身体に彫っていたと考えられます。托さんも、タトゥーアーティストとして、民族や部族にみられるタトゥー文様をリサーチしてきたなかで、蛇のモチーフは世界各地で見られるものであったといいます。

 縄文人が全身タトゥーをしていたというのは、今までのイメージを一変させる。次回は、古代のミイラの医療目的のタトゥー、日本から発信する新しいカルチャーについて、ケロッピー前田さんに語ってもらう。

後編に続く!

【刊行情報】

ケロッピー前田『縄文時代にタトゥーはあったのか』

大島托(縄文タトゥー作品)

国書刊行会 絶賛発売中!!

本体価格2400円(定価2640円)

【内容紹介】

漆黒でオーバーオールな古代の和彫が近現代の鎖を断ち切り日本を日本に戻す。菊地成孔氏(音楽家・文筆家)推薦!!

土器や土偶にえがかれた線、円、点、螺旋といった我々を魅了する幾何学的な文様。これらがもしも太古の人体にきざまれていたとしたら――。世界中に残る痕跡をたどり、太古に失われたタトゥーを現代人に彫り込み「モダン・プリミティブズ」へと身体のアップデートを目指す壮大な試み。

ケロッピー前田(けろっぴー・まえだ) 

1965年、東京都生まれ。千葉大学工学部卒、白夜書房(のちにコアマガジン)を経てフリーに。世界のカウンターカルチャーを現場レポート、若者向けカルチャー誌『BURST』(白夜書房/コアマガジン)などで活躍し、海外の身体改造の最前線を日本に紹介してきた。その活動は地上波の人気テレビ番組でも取り上げられ話題となる。著書に『クレイジートリップ』(三才ブックス)、『クレイジーカルチャー紀行』(KADOKAWA)、責任編集『バースト・ジェネレーション』(東京キララ社)など。新刊本『縄文時代にタトゥーはあったのか』(国書刊行会)絶賛発売中!

公式twitter:@keroppymaeda

 

文・取材=松本祐貴

松本祐貴(まつもと・ゆうき)
1977年、大阪府生まれ。フリー編集者&ライター。雑誌記者、出版社勤務を経て、雑誌、ムックなどに寄稿する。テーマは旅、サブカル、趣味系が多い。著書『泥酔夫婦世界一周』(オークラ出版)『DIY葬儀ハンドブック』(駒草出版)。新刊に編集として関わった『これからの時代を生き抜くための生物学入門』(辰巳出版)五箇公一著。
・ ブログ「~世界一周~ 旅の柄」 http://tabinogara.blogspot.jp/

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