「死後さばきにあう」ありえない日本酒銘柄を連発する酒造に潜入!「ビクトル投げからの膝十字固め」も… 超絶センスの秘密とは!?

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 「タクシードライバー」のラベルのデザインを手がけたのは、デザイナーでありアート・ディレクター、映画ライターでもある高橋ヨシキさん。ラベルは水彩画の描き下ろし。商標登録もしてある。1番の売れ筋商品だ。米は、岩手県で作られている『かけはし』というものだけが使われていて、伝統の製造方法を保ちつつ製造されている純米酒になっている。この米は、岩手でもかなり小さい範囲でしか流通していない。

 「嫉み(そねみ)」は、これまた意外な銘柄だが、妙な味がするワケではない。酸の立ったキリッとした味わいがあり、コクを感じる綺麗なお酒になっている。日本酒愛好家の方々もうなずく味だ。毎年生産量が増えているのが「ビクトル投げからの膝十字固め」だ。格闘技の名前から来ているインパクトのあるタイトルと、男性の顔のアップといった独特のデザインがウケている。

 「おかげさまで『死後さばきにあう』は大ヒット商品になりました。去年の11月に出したら一瞬で売り切れちゃいました。ああいうマイナーなネタを分かってくれる酒屋があるのかなと思っていたら、意外と分かってくれたところは多かったですね。日本酒専門店も飛びついてくれました。通販でも販売をしているのですが、全国の方々に買っていただいております。大変な反響がありましたので、また作りたいと思っています」(藤村卓也さん)

 「でも、『死後さばきにあう』という言葉が書かれた看板は、あまりにもストレートなので最近は見かけなくなりましたね。実にインパクトのある言葉だと思います。会社の近くには、たくさんのキリスト看板が貼られていますが、岩手県内にはないんですよ。でも、山形県内には結構現存しています。車に乗っているときにも見つけました。銘柄と味には、直接の関連はありません」(藤村卓也さん)

 3月22日に純米酒専門八咫 新宿三丁目店で行われた『喜久盛酒造 試飲会』というイベントには、大勢の“喜久盛酒造ファン”が訪れた。誰もが藤村さんのファンで、イベントの最後に行なわれた写真撮影の際には、数々のお酒が並べられた。これからも東京都内などを中心として、今回のような「利き酒会」が行われるので、HPなどでチェックしてみよう。

・喜久盛酒造http://kikuzakari.jp/

文=酒井透

写真週刊誌「FOCUS」(新潮社/休刊中)編集部カメラマンを経て、現在、秘境・不思議スポット探検家/写真家として活動中。「FOCUS」時代には、逮捕直後の宮崎勤をスクープする。国内はもとより、これまでに50カ国あまりで取材活動を行っている。著書に『中国B級スポットおもしろ大全』(新潮社)、『未来世紀 軍艦島』(ミリオン出版)などがある。最新刊は、『軍艦島 池島 長崎世界遺産の旅』(筑摩書房/共著)。
Twitter:@toru_sakai

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