20年以上ホームレスを取材、70以上のゴミ屋敷を清掃! 発禁&絶版の男・村田らむの全著作振り返りがヤバイ!



樹海考(2018/晶文社)

 ライターになった初期から、ずっと通っていた青木ヶ原樹海だが、樹海に行きはじめて10年くらいは、樹海をただ横断したり、樹海内にある新興宗教を訪ねたり、と比較的おとなしい企画が多かった。

 しかし、2012年にたまたま2体の首吊り自殺死体を発見してからより“自殺”に焦点を当てるようになった。

 そして、樹海で死体散策を続けるKさんと会ってから、ますます拍車がかかった。

 また、アメリカのバンド、スリップ・ノットのクラウンさんやジャニーズタレントを樹海に案内したりと『樹海案内人』みたいな仕事もちょくちょくするようになった。

 そういう樹海探索を記事や漫画にして発表していたら、一冊にまとめませんか? と声をかけられた。

 そうして出来上がったのが『樹海考』だ。真面目な表紙だし、丁寧な語り口だが、よく読めば、自殺死体マニア、殺し屋、新興宗教老人、などかなりアンダーグラウンドな人たちがわんさか出てくる本である。

 Amazonで書籍も電子書籍版も買うことができる。


危険地帯潜入調査報告書(2019/竹書房)


 丸山ゴンザレスさんと組んで竹書房の『本当にあった愉快な話』で3年ほど連載してきた連載漫画『行ってはいけない!』を一冊にまとめた本だ。

 村田らむのキャラクターは、僕とは似ても似つかない、普通の男の子だが、これは別に

「村田らむをかっこよく見せたい!」

 と思ったわけではない。編集者に

「村田らむさん、そのままのキャラだと、主婦受けが悪いから、かわいくしてくれ」

 と頼まれたのだ。

 今更、キャラを戻すこともできないので、自分とは別物の村田らむを今日も描いている。

 タイトルはヒットした『禁断の現場に行ってきた!!』にやや寄せてきた感はある。

 表紙も内容に比べて、シビアな雰囲気になっている。続編が出る時はたぶん、全然違う形になるそうである。

 

危険領域 潜入日記—青木ヶ原樹海編—(2020/サイゾー)

 サイゾー社から出した初の、電子版のみの本である。

 鹿砦社の『紙の爆弾』という雑誌に10年以上に渡りコツコツと連載している『キラメキ☆東京漂流記』という日記漫画からジャンルをセレクトして編纂したものである。

 第一弾で『青木ヶ原樹海編』である。

 この本のタイトルの『危険領域潜入日記』も、『禁断の現場に行ってきた!!』にやや寄せてる感はある。

 原作の漫画は日記漫画なので、ヤバい所に行ってばかりいるわけではない。ちなみに、2020年の5月は新型コロナウィルスの緊急事態宣言で自粛して、家でずっと自炊していた漫画を描いている。

 もちろん現在、電子版を買うことができる。

 読んでおくれ。

ホームレス消滅(2020/幻冬舎)

 そうしてやっと、先日発売された『ホームレス消滅』である。

『ホームレス・スーパースター列伝』が思った形にできなかったのはとても残念だったが、その内容には自信があった。再編集して出したいと思ったけど、記事として出してもいいなと思った。

 その頃、東洋経済オンラインという媒体で仕事をするようになった。インタビューを中心に記事を書いていたのだが、ホームレスの記事を書こうと思い立った。

 そうしてルポ「ホームレス」(東洋経済Online)という連載を始めた。

 そうしたら、かなり多くの人に読まれ、そして反響もあった。トカナでもホームレスの記事を載せたが、こちらも読まれた。

『多くの人に読まれたい』

 というライターが持つ根本的欲求は、ウェブニュースがバズることである程度解消された。

 そして「書籍化しませんか?」と声がかかった。

 ただ、記事をそのまままとめるのではなく、新規でかなり取材をしたし、今回は公に発表されたデーターなども多く載せている。

 思えば『こじき大百科』の頃とは、ホームレスを取り巻く環境は随分変わった。当時は、上野公園だけで1000人近いホームレスがテントを張っていたし、ドヤ街もまだまだ元気だった。ここ10年で7割以上減少した。

 昔に比べ、生活保護を受けやすくなり、家で生活しやすくなったという良い面もある。

 反面、ホームレスをしている人を無理やり排斥するケースもある。河川敷で暮らす彼らを攻撃する輩もいまだに後をたたない。

「こうあるべき!!」

 と言う結論は書いていないけど、現状はよく分かる内容になっていると思う。

 興味がある人は是非、読んで欲しい。

 これが売れてくれると、また次に本が出しやすくなるので、よろしくお願いします。

 というわけで村田らむが出版した本を全て振り返ってみた。

 こう思うと、長年に渡りニッチなテーマの本をたくさん出すことが出来たなあと感心する。

 トカナでも結構記事を書いたので、そのうちまとめて一冊にできたら面白いなとも思っている。どうでしょう、角編集長? (※ぜひに~!(角))

 というわけで、こんな自己愛が強すぎる記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

<イベント情報>

ホームレス消滅 (幻冬舎新書)


【出演】
村田らむ
【ゲスト】
角由紀子

【配信日時】 6/11(木) 20:00~21:30(予定)
【配信チケット】1,500円(税込)

《アーカイブについて》
配信終了後から6/18(木)23:59まで視聴可能です。
(その間も配信チケットご購入頂けます)
リアルタイムでのご視聴ができない方は、アーカイブでお楽しみください!

<チケットはこちらから>

文=村田らむ

ライター、漫画家、カメラマン、イラストレーター
1972年生まれ。キャリアは20年超。ホームレスやゴミ屋敷、新興宗教組織、富士の樹海などへの潜入取材を得意としている。著書に『ホームレス大博覧会』(鹿砦社)、『ホームレス大図鑑』(竹書房)、『樹海考』(晶文社)、『ホームレス消滅』(幻冬舎新書)など。

Twitter:@rumrumrumrum

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