脳を「25歳若返らせる」最強のアンチエイジング法を科学者が発見! たった8週間で脳に構造的変化…ストレスも激減!
次にラザー氏は「マインドフルネスの実践は脳灰白質の局所的な密度増加につながる」と題する研究を行った。この研究では、8週間のマインドフルネス瞑想を行った被験者と比較群を比べて、灰白質濃度の変化を調査した。すると、8週間の瞑想コースを終えた被験者は、学習、記憶、感情の調節に関与する左海馬や、共感性や視点の複数性に関与する側頭頭頂接合部、脳幹の一部であり調節性神経伝達物質が生成される橋(きょう)において、厚みが増していたという。さらに興味深いことに、恐怖・不安・攻撃性に関連する偏桃体が縮小していたそうだ。これは被験者のストレスレベルの低下と相関しているという。
また、ラザー氏の研究とは独立した米・ウィスコンシン大学のリチャード・デイヴィッドソン教授の研究でも、長期的な瞑想経験者の脳は若いことが判明している。9歳の頃から瞑想を実践しているチベット仏教の著名指導者ヨンゲ・ミンギュル・リンポチェ(リンポチェは尊称:上人の意)の脳は実年齢より8歳も若かったそうだ。
驚くべき研究結果の数々である。まさに瞑想こそ最高の脳トレだと言えるだろう。ただ、本来、瞑想は宗教的な理想に到達するための方法であり、脳のアンチエイジングは副次的効果に過ぎないことは覚えておきたい。
というのも、瞑想の副次的効果には精神に悪影響を及ぼす類のものあり、適切な瞑想法でなかったり、適切な指導者がいなかったりする場合には、精神病を発病する恐れや、“魔境”と呼ばれる自分が悟ったと勘違いする誇大妄想を引き起こすこともあると言われている。浅薄なマインドフルネス瞑想ブームの中、未熟な指導者が誤った指導を行うケースもあることだろう。最初の師選びから細心の注意が必要だ。
参考:「Collective Evolution」、ほか
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