「ISIS(イスラム国)を作ったのはオバマとヒラリー」4年前の大統領選で暴かれた暗殺指令、国家転覆…トランプの陰謀論考察【第2回】

 新型コロナウイルスのパンデミックをきっかけに、いまや世界が大混乱。そんななかでもアメリカは感染者数死者ともに世界ダントツ首位(感染者数268万人超、死者数12.8万人超/2020年7月2日現在)で、これからどうなってしまうのか、まったく予想がつかない。5月25日に起こったジョージ・フロイド殺害事件に対する抗議デモは全米ばかりか世界中に拡大した。今年11月にはトランプ再選を占う、アメリカ大統領選挙が控えている。どうなるアメリカ、どうなる世界!

 ケロッピー前田がカウンター視点で巷のニュースを相対化、いまを生き抜くためのヒントやアイディアをお届けしたい。合言葉はひとつ、ただひたすらに生き残れ!

 大好評だった「新型コロナウイルスの時代」の続編、今回は第2回をお送りする。

<過去の記事> 

・集中連載(2)

【第1回】ディープステートの正体

・集中連載(1)

【第1回】ビル・ゲイツの予言
【第2回】パンデミック演習「イベント201」
【第3回】武漢ウイルス研究所とは何か?
【第4回】「プランデミック」の賛否
【第5回】武漢フレンチコネクション
【対談編・前編】トランプが陰謀を挫いた
【対談編・後編】ディープステイトvsトランプ

画像は「YouTube」より引用


【集中連載(2)第2回】2016年大統領選ヒラリーの私用メール

 2016年の大統領選は、いま思い返してもトンデモない出来事の連続だった。コロナ禍にある2020年もこれからどんなことが起こるのか、まったく予断を許さない状況にあるが、トランプが戦う「ディープステート」の実態が目に見える形で現れたのが、前回の大統領選挙だった。

「ISIS(イスラム国)を作ったのはオバマとヒラリーだ!」

 2016年8月10日と11日の両日、トランプは大統領選挙遊説先のフロリダ州の集会でそう明言した。翌12日、ヒラリーは「そんなバカなことをいう人物は大統領には不適切」と激しく反論したが、ヒラリーは国務長官時代に公務で私用メールを使っていた問題がくすぶっていた。

 当時、イスラム過激派がイラクとシリアの国境を挟んで、2014年頃からISISという国家を名乗って、大暴れしていた。オバマ政権が選挙公約に掲げたイラク戦争の終結は完全に失敗したのだ。トランプ政権になってから、ISISはすっかり廃れ、その名前を聞かなくなっている。

 この時、トランプが自信満々にそう断言できたのには理由があった。

 2016年3月16日、匿名リークサイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」は、ヒラリー・クリントンの私用メール約3万件を公開していた。ウィキリークスとは、元ハッカーのジュリアン・アサンジが主宰し、政府や企業の機密情報を匿名でリークすることで、インターネットならではの過激な告発の場となっていた。2010年にはアメリカの外交公電10万件を公開し、「ネット上の911」とまで言われた大事件となった。ネット上の情報漏洩が国家の政治的決定にまで影響を及ぼしかねないと危惧されたのだ。アサンジは、英国政府の拘束を逃れて、2012年からロンドンのエクアドル大使館に籠城しており、ヒラリーに関わる膨大な量のリークもすべて軟禁状態でなされたものであった。

 そこで公開されたのは、オバマ政権下、ヒラリーが国務長官であった時代に私用メールサーバーででやり取りしていた約3万通のメールで、2010年6月30日から2014年8月12日までの私用メールをアメリカ国務省の情報公開法に基づきPDF化した約5万ページに及ぶ書類を含んでいた。それらは、ヒラリーが中東で極秘の資金運用や裏工作を行なっていたことの確かな証拠となったのだ。

 ヒラリーの私用メールには、いったい何が書いてあったのだろうか?

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