ブサメンほど自分をイケメンだと思っていることが最新研究で判明! 美醜の区別が苦手…ダニング=クルーガー効果か?

 容姿が魅力的な人は自己評価が低く、魅力的でない人は自己評価が高い傾向にあることが新たな研究で明らかになった。

 知的情報サイト「Big Think」(8月19日付)によると、この度、学術誌「Scandinavian Journal of Psychology」で発表された論文で、オーストリア・インスブルック大学の社会心理学者トビアス・グレイテマイヤー教授らは、自分の魅力を過大評価する可能性が最も高い人は、最も魅力的でない人たちであることを突き止めたという。

Unattractive people are unaware of their (un)attractiveness(Scandinavian Journal of Psychology)

 実験では、参加者の容姿を2人の人物が評価。その後、参加者本人に自分の容姿について評価してもらったという。

「全体的に魅力的でない参加者は、自分が平均的な魅力を持っていると判断し、他人がそうは思っていないことにほとんど気づいていませんでした。対照的に、魅力的な参加者は、自分の実際の魅力の程度について、より多くの洞察を持っていました」(グレイテマイヤー教授)

 魅力的でない人は自己価値を守るために、ネガティブな意見を無視したり、忘れたりする傾向があることが先行研究で分かっているため、研究チームは、参加者らに容姿とは関係がなく、魅力について自己保身する必要のない質問、たとえば、寛容性など性格に関する質問も参加者に投げかけたという。だが、やはり魅力的でない人は自己評価が高かったそうだ。

 「ダニング=クルーガー効果」と呼ばれる、能力の低い人物が自らの容姿や発言・行動などについて、実際よりも高い評価を行ってしまう認知バイアスが存在するが、これは自らの欠点を認識するだけのメタ認知スキルがないためだと考えられている。実際にグレイテマイヤー教授らは、魅力的でない人は魅力的な人と魅力的でない人を識別することが不得意な傾向にあるという。

 また、魅力的でない人に、魅力的な人と魅力的でない人の写真からどちらがより自分の容姿に近いか選ばせる実験では、魅力的でない人の写真を選ぶ傾向にあったという。

 ただ、これらの実験から魅力的でない人が美醜について異なる基準を持っている可能性はあるが、過大な自己評価をしてしまう理由は依然として謎だと結論づけられている。

 ほっといてくれ、という気もするが、深甚微妙なる人間精神の探求にはこうした研究も必要なのだろう……。今後の研究に期待したい。

 

参考:「Big Think」、ほか

TOCANA編集部

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