一家20人が死亡…座敷童子の怖い話と基本の3パターンとは?ドラマ『妖怪シェアハウス』登場妖怪を民俗学者が解説!

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 ところで私が最近出した『関西弁で読む遠野物語』(エクスナレッジ)という本では、第18話の会話を「あんたらどっから来たんや?」「うちら、山口の孫左衛門のとこからきてん」と訳している。『妖怪シェアハウス』のヒロイン、目黒澪を演じる小芝風花は、大阪府堺市出身なので、いつかこんなふうに朗読してほしいものだ。

 ザシキワラシの性格に話を戻すと、「子どもたちが何人か集まり、自分たちの人数を数えると何回数えても1人多く、それがザシキワラシだ」というのもよく知られている。『銀河鉄道の夜』や『風の又三郎』の童話作家・宮沢賢治も、そんなようすを作品に描いている。

「ちょうど十人の子供らが、……ぐるぐるぐるぐる、まわってあそんでおりました。そしたらいつか、十一人になりました。ひとりも知らない顔がなく、ひとりもおんなじ顔がなく、それでもやっぱり、どう数えても十一人だけおりました。」(「ざしき童子のはなし」)

 今回は最終話となった『妖怪シェアハウス』、澪の正体は、家の富貴を約束するザシキワラシだったとか、澪は実は妖怪たちが見た「幻」だったという結末を、筆者はどこかで期待したりしている。

文=畑中章宏

1962年、大阪生まれ。民俗学者・作家。
著書に『災害と妖怪』(亜紀書房)『天災と日本人』(ちくま新書)『21世紀の民俗学』(KADOKAWA)『死者の民主主義』(トランスビュー)など。民俗学をベースに災害や妖怪、民主主義など現代の問題を論じる気鋭の民俗学者。最新刊『関西弁で読む遠野物語』が発売中。

ツイッター:@akirevolution

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