生活の基盤なくしてやりたいことはできない! 伝説のバンド「the原爆オナニーズ」の初ドキュメンタリー映画『JUST ANOTHER』大石規湖監督インタビュー後編

■生活の中に文化があることは特別なことではない

−−コロナ禍と呼ばれる状況下で『JUST ANOTHER』が公開されることに、僕は大きな意義を感じます。が、もともとコロナとは関係なく撮られた作品なんですよね。

大石 そうなんですよ。撮影を始めたのが2018年9月の今池まつりからで、終わったのが2019年の10月で、2020年の2月初旬には納品していたので。私としては、この映画を通してシンプルに「こういう日常がある」というのを観てもらいたかったんですけど、今、その日常が遠のいてしまっている。今池まつりにしても、今年は中止になってしまいましたし……。でも、6月末くらいから都内のライブハウスも人数制限をして“密”を回避つつ、入場時の検温と消毒、お客さんのマスク着用、転換時の換気とかを徹底して営業を再開させていますよね。

JOHNNY ©2020 SPACE SHOWER FILMS

−−そうですね。本当にライブハウス側の取り組みには頭が下がりますし、今まで通りにはいかないにせよ、かつての日常が戻ってきつつある。今後も予断を許さない状況ではありますが。

大石 だからライブが生活の一部になっている人たちは、みんなでそれを守ろうとしているというか、それが当たり前だと思って行動しているんですよね。あと、このコロナ禍の中で、やっぱり日本では“生活と音楽”を両立しづらいということを改めて感じたんです。音楽に限らず、映画や芸術といった文化的なものが、“不要不急”的な意味で容易く切り捨てられてしまうのをまざまざと見せつけられて。なぜ切り捨てられやすいかというと、そういうものが社会の中でどこか特別視されている部分があるからだと思うんです。でも、生活の中に文化があることはなんら特別なことではないですよね。

©2020 SPACE SHOWER FILMS

−−ところで、TOCANAはオカルトメディアなのですが、大石さんはthe原爆オナニーズに対してオカルト的な何かを感じましたか?

大石 ええと、何かあったかな……超自然的なことかどうかわからないんですけど、TAYLOWさんは還暦を迎えてなお、白髪が全然ないんですよ。あるとき「最近忙しいから白髪が生えちゃうよ」とおっしゃっていて、私はてっきり髪を染めていると思い込んでいたのでびっくりして。

TAYLOW ©2020 SPACE SHOWER FILMS

−−パンクバンドを長く続けていると、白髪が生えない。

大石 かもしれない……。

(了)

■『JUST ANOTHER』

●公式ホームページ https://genbaku-film.com/

10/24(土)~|東京・新宿K’s cinema

10/31(土)~|愛知・名古屋シネマテーク

11/20(金)~11/26(木)|宮城・チネ・ラヴィータ

11/27(金)~|大阪・シネマート心斎橋

12/1(火)~12/7(月)|広島・横川シネマ

12/4(金)~|長野・アイシティシネマ

12/11(金)~|京都・出町座

上映決定|神奈川・横浜シネマ・ジャック&ベティ

以降全国順次公開

■大石規湖(おおいし・のりこ)

フリーランスの映像作家として、SPACE SHOWER TVやVICE japan、MTVなどの音楽番組に携わる。トクマルシューゴ、DEERHOOF、DEATHRO、怒髪天など数多くのアーティストのライブDVDやミュージックビデオを制作。独自の視点で切り取られたライブ映像、特にワンカメでのライブシューティングには定評があり、音楽に関わる作品を作り続けている。映画では『kocorono』(2010年・川口潤監督)で監督補助を担当。さらにLess Than TVを追ったドキュメンタリー映画『MOTHER FUCKER』(2017年)で映画監督デビューを果たし、本作『JUST ANOTHER』は劇場公開2作品目となる。

文・取材=須藤輝/@sdohkr

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