コロナ禍の2020年があっという間だった感覚の原因は「時間細胞」だった!? 脳には記憶のタイムスタンプが存在と判明!

 そして、この神経細胞の活動は単語そのものではなく、単語を憶えた時間にのみ関係していることがわかったのだ。つまり、この神経細胞の活動が“タイムスタンプ”だったということだ。実際にこの特定の細胞が正確に活動していた者ほど、時系列的により正しい順序で単語を思い出すことができていたのだ。

「これらの細胞は時間に関連する情報をエンコードしており、この情報は明らかに記憶にとって重要です」と研究を主導したテキサス大学サウスウエスタンメディカルセンターの脳神経外科医であるブラッドリー・レガ博士は語る。

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画像は「Unsplash」より

■“コロナ禍”によって多くの“ストーリー”が失われた1年

 レガ博士の説明によれば、この神経細胞の活動は必要に応じて報じられる“時報”であるという。“時間細胞”自体は存在しないのだが、このメカニズムが仮想の“時間細胞”と呼べるものになるということだ。

「脳内メトロノームや時間細胞はありません。(この神経細胞の活動は)あなたがしていることをサポートするために活動してます」(ブラッドリー・レガ博士)

 この“時間細胞”は脳に対して行われている要求にリアルタイムで刻々と反応する一方、“ランピング細胞(ramping cells)”と呼ばれる近くのニューロンの別のグループは、タスクの開始時に活動を加速し、ジョブが終了すると減速または減衰して、時間を区切っているという。つまり時間を体験の種類によって区切って分類し、記憶にストーリーや文脈を与えているのである。

「これらの細胞は経験中の文脈変化に敏感であるため、文脈情報がゆっくりと進化する性質を表す可能性があります」と研究論文で説明されている。

 この研究には直接関係していないニューヨーク大学の神経科学者であるギヨギ・ブサキ教授は「この神経基質は私たちが時間と呼ぶものの経過をどのように示すのかについて議論するうえで有用な概念です」とコメントし、今回のレガ博士の研究を高く評価している。

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