コロナ禍の2020年があっという間だった感覚の原因は「時間細胞」だった!? 脳には記憶のタイムスタンプが存在と判明!
そういえば、あれはいつの頃だったか――。我々の脳に蓄積された記憶には、ある程度の正確な“タイムスタンプ”がなければ混乱が生じてしまうだろう。では、脳には時間の感覚をつかさどる神経細胞が存在するのだろうか。
■記憶の“タイムスタンプ”のメカニズム
人がさまざまな記憶を思い出す時、おおよそどのくらい前のことだったのかについても一緒によみがえってくることが多いはずだ。
しかしその一方、ある特定の体験がいつの頃だったか、どうしても思い出せない記憶もあるかもしれない。そしてこのような記憶は、却って混乱の原因になり得る。
この2つの記憶の違いはどこからくるのだろうか? ひょっとして脳内の神経細胞の中には“時間細胞”があって、そこに保存された体験は時間的な感覚もある程度正確に記録されているということなのだろうか。
米・テキサス大学サウスウエスタンメディカルセンターをはじめとする合同研究チームが、2020年11月に「PNAS」で発表した研究では、そうした疑問に対する新たな知見を提供している。

研究チームは記憶の形成・回復に不可欠な脳深部の領域である内側側頭葉(medial temporal)の細胞の活動を分析した。おそらく、記憶を時系列で並べるには何らかの“タイムスタンプ”を付けて分類する必要があるはずで、この脳内のタイプスタンプ機能はどのようなメカニズムになっているのか? 研究チームは、脳に電極が埋め込まれているてんかん患者27人の脳活動を詳しく記録した。
脳活動の詳細を記録する一方、患者たちは思考と記憶をテストするコンピュータゲームをプレイし、研究者たちは神経細胞がどのような活動パターンを見せるかを観察した。ゲームで患者は単語のリストを暗記することを求められ、その単語はPCのスクリーン上に一度に1つずつ、1秒程度の間隔を置いて提示された。その後、被験者は30秒以内に、できるだけ多くの単語を自由に思い出すことが求められた。
収集したデータを分析した結果、研究チームは単語を自由に思い出している30秒の間に、特定の神経細胞が2~5秒ほど活発な活動を見せることを突き止めた。
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