ツタンカーメンの呪いだけじゃない! 2500年の“呪い”を封印するエジプトミイラの正体判明!
エジプトの首都カイロから南へ30キロの地点に「サッカラ遺跡」がある。ここは何千年も昔、古代エジプト人がミイラとなって永遠の眠りについた埋葬地だった。死者は神官により、ヒエログリフが施された木棺に安置された後石棺に収めて封印され、砂が敷き詰められた墓に埋葬されたという。
■2500年もの間ミイラを封印してきた“呪い”の正体は?
安息を妨げられることのない場所のはずだったが、今年11月、発掘チームが深さ12メートルの穴を3カ所発見し、その中から封印された状態の石棺を掘り起こした。その数、160基以上。エジプト政府の発表では、出土した棺は今後「大エジプト博物館」をはじめとするエジプト各地の博物館で収蔵される予定だという。
墓は、古代エジプトの末期王朝やプトレマイオス朝時代の高官のものとみられている。現在、考古学者チームが棺を開け、中のミイラを調査し始めたところだという。興味深いことに、中の木棺内部には盗掘者を追い払うためのカラフルな呪いが刻まれていたという。保存状態も良好で、どうやら、約2500年もの間“呪い”で封印されてきたおかげといえそうだ。
カイロ・アメリカ大学のエジプト学者サリマ・イクラム博士は語る。
「棺に刻まれた警告は、ミイラの安息を冒涜する墓泥棒を抑止する役目だったようです。その文面は『万が一、墓が暴かれた場合、神々の評議会は不法侵入者を罰するために、ガチョウにするように彼らの首を締めて殺すだろう』と書かれています」(イクラム博士)
故人と一緒に埋葬された貴重品を盗もうとして捕まった不届き者は、彼らの罪に見合った方法で処刑されたそうだ。貴族の墓を暴いた罰は、ムチ打ち、鼻を削ぐなど、かなりむごたらしいものだったようだ。
また、博士はミイラの調査に関して「手袋とマスクを着用していれば、古代の微生物や真菌に汚染される危険性はほとんどない」と断言する。コロナ禍の影響もあり、専門家たちもウイルスに関して非常に神経質にならざるを得ないのだろう。
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