スターピープルは我々の先祖 ― アメリカ先住民に今も伝わる「スターピープルとの交流」ロズウェル事件も関連

 アメリカ先住民族の伝承には天からやって来た人々である“スターピープル”がよく登場している。特にナバホ族の人々はスターピープルは我々の先祖であり、親愛なる人々として敬っているということだ。

“天空の神”である“スターピープル”の物語は、カナダとアメリカの先住民族の伝承に数多く登場し、その大半が記録に残されている。

 自身もインディアン部族のチョクトー族の血を受け継ぎ、モンタナ州立大学の名誉教授で作家のアーディ・クラーク氏は、先住民族に伝わるスターピープルの話を収集して編纂し、これまでに複数の著作を執筆している。

 オルタナティブメディア「Collective Evolution」の記事では、そうした話の中のダレンという名前のナバホインディアン居留地の男性が体験したストーリーを紹介している。ダレンの祖父によれば、スターピープルは我々の先祖であるというのだ。

「Collective Evolution」の記事より

■仲間とはぐれたスターピープルが祖父の家を訪問

 史上最大のUFO事件「ロズウェル事件」が起きた当時(1947年)、少年であったダレンは祖父からスターピープルの宇宙船がニューメキシコに墜落し、路頭に迷った彼らの1人を先住民族のグループが秘密裏に保護したという話を聞かされたという。

 ある日、祖父とその友人の何人かが砂漠をさまようエイリアンに出くわした。彼らは彼が“天空の神”であるスターピープルの1人であることに気づき、一帯を調査に来た米軍の兵士から彼を隠したという。しかし不幸にも彼は死に、先住民族たちは彼を丁重に葬ったというのである。

 そしてその後、ダレンはこの祖父を通じてスターピープルを目撃したのだ。

 祖父の家を訪れてきたこの見知らぬ異様な姿の男に驚き恐怖に襲われたダレンだったが、その時はこの男がスターピープルだとは知る由もなかった。

ナバホ族の家「ホーガン」 画像は「Wikipedia」より

 男の訪問を祖父に伝えると、祖父は外に出て2人で何やら立ち話をしていた。少しすると祖父は家のドアを開けて中にいるダレンに一緒に来るようにと伝えた。いったいこれからどこに行くというのか。

 外に出たダレンはスターピープルの姿を間近で見ることになった。彼は家の壁に背中をつけてもたれかかっていて、今日のスマホのような金属製の何らかの小さな機器を手に持ちそれを見ていたという。

 まだ少年だったダレンは思わず祖父の腕を抱え手を握ったが、祖父は何も怖くないとダレンを諭した。

 初めて見るスターピープルは背が高かった。黒い肌と黒い目で頭髪は確認できず、頭は競泳帽のようなぴったりしたキャップで覆われていた。身体にフィットした茶色い服を着ていて、つま先のとがった奇妙なブーツを履いていた。中綿のような詰め物があるパンツを履き、手袋をしていて、とにかくダレンがこれまで見たことのない服装であった。

 スターピープルは祖父と少し会話をした後、3人で一緒に歩きはじた。峡谷に向かっていたのだが、ある地点に来ると尾根の反対側に大きな宇宙船が停泊していたのである。

 祖父を訪ねてきた彼は一時的に仲間からはぐれたスターピープルだったのだと、後になって祖父が説明してくれたのだが、ダレンにとってまったく理解不可能な出来事であった。

 このスターピープルは宇宙船でこの地に降り立ってから二手に分かれて別々の行動をとっているうちに迷ってしまったのだった。そして通りかかった祖父の家に助けを求めてやってきたのだという。一帯の地理に詳しい祖父は宇宙船の停泊場所まで彼を案内したのである。

 ダレンはもっと宇宙船に近づいてよく見てみたかったのだが、祖父から宇宙船には触れてはいけないと厳に戒められた。

 少し離れた場所から眺める宇宙船はくすんだ銀色の球体で窓はなく、ドアはあるのだが閉まるとドアの痕跡がなくなったという。

 そのドアが開くと中からほかのスターピープルが出てきて、いままではぐれていた仲間を労っていたという。彼らの立ち話の最中に祖父の方を向いて話し合い、すぐにスターピープルたちは祖父にお辞儀をした。

 話が終わると彼らは宇宙船に乗り込んだのだが、祖父はここからもう少し離れなければならないとダレンを伴って今来た道を引き返した。

 少しすると彼らの宇宙船が垂直に浮上するのが見えたのだが、まさに「飛ぶ鳥跡を濁さず」を地で行く離陸で、一切の風や砂ぼこりをたてずに素早く急上昇したという。これにダレンは驚くほどの感銘を受けた。この宇宙船が“普通じゃない”ことを改めて思い知らされたのだ。

 この時は最後まで彼らがスターピープルであることを理解できなかったダレンだったのだが、結局のところ彼らへの恐怖を終始拭い去ることはできなかった。ダレンは帰り道もずっと祖父の手を握っていたのだが、それはいつもより安心感をもたらすものであったことを憶えているという。

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