「デゴイチ解体を阻止したい」復活にかけた関係者の情熱が胸アツすぎる! 全国の鉄道ファンが涙… 奇跡は起きたのか!?

 また、室蘭市内に保存されていた「D51560」は、室蘭市青少年科学館から道内最古の木造駅舎である「旧・室蘭駅舎」のすぐ横に移設された。この科学館は、環境科学館という名前に名称を変更された上で建て替えられる(新築される)ことが決まっていたことから、「D51560」は行き場を失っていた。それでも、最終的には、場所を変えて保存されている。

 北海道は、最後まで蒸気機関車が走っていた大地だ。それだけ蒸気機関車に対する想いが強い。室蘭市内では、蒸気機関車の移設に際して、まちづくり協議会によるワークショップが行われ、その席で市民からのアイデアも集められた。そのようなことから、さまざまな人たちから出た意見が移設計画に反映されている。市民と市役所が一体となって「D51560」の保存に取り組んだのだ。

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 旧・国鉄の蒸気機関車が最後まで残されていたのは、北海道の追分機関区だ。最後の最後まで使われていたのは、入換作業用の9600という型式で、全廃されたのは昭和51年3月2日のことだった。現在、全国に保存されている蒸気機関車は、旧・国鉄から貸し出されたものがほとんどを占めている。

 令和元年9月、「D51684」が解体される前、現役時代の蒸気機関車を知る年配の方々が「最後のお別れ」のために足を運んでいた。近所に住む子どもたちも気になっていたようだ。そのような光景を見ているとき、自転車に乗って通りがかった女子中学生がポツンとつぶやいた。「このSL解体されちゃうんだって。かわいそう……」。

文=酒井透

写真週刊誌「FOCUS」(新潮社/休刊中)編集部カメラマンを経て、現在、秘境・不思議スポット探検家/写真家として活動中。「FOCUS」時代には、逮捕直後の宮崎勤をスクープする。国内はもとより、これまでに50カ国あまりで取材活動を行っている。著書に『中国B級スポットおもしろ大全』(新潮社)、『未来世紀 軍艦島』(ミリオン出版)などがある。最新刊は、『軍艦島 池島 長崎世界遺産の旅』(筑摩書房/共著)。
Twitter:@toru_sakai

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