ロシアが永久凍土の死骸から「古代のウイルス」抽出へ! 未知の病原体が目覚める恐れ… 危険すぎる研究の“真の目的”とは!?
今月、ロシアで先史時代のウイルスを探す試みが開始された。シベリアの永久凍土で凍りついた5万年前の動物の死骸からサンプルを採取、生物的物質を抽出しようとするもので、研究者らはウイルスについて新たな知見が得られると期待を寄せているが、一方で、未知の危険な病原体を目覚めさせてしまう可能性も指摘されている。英「Daily Mail」(2月16日付)他が報じた。
先史時代のウイルス研究に乗り出したのは、ロシア国立ウイルス学・生物工学研究センター(ベクター研究所)と同国立ヤクーツク大学である。発表によると、プロジェクトの目的は古代のウイルスを発見し、ウイルスの進化に関する高度な研究を行うことにあるという。
研究材料となるのは、シベリアの永久凍土で発見された先史時代のマンモスやイヌ、ノウサギなど様々な動物の死骸50体で、最古のものは5万年前のレミングだという。研究ではこれらの死骸から軟組織を取り出して、分子生物学的な手法を用いてゲノムの抽出や配列決定を行うのだが、サンプル内の全ゲノム情報を読み取ることで、そこに含まれる微生物やウイルスなどに関する情報も得ることができる。研究チームではすでに4500年前のウマの組織の分析を開始しているとのことだ。
ヤクーツク大学のマンモス博物館研究所の責任者マキシム・チェプラソフ氏によると、永久凍土で見つかった生物の死骸に含まれる微生物の研究はすでに行われているというが、ウイルスに関する研究はこれが初めてだという。チェプラソフ氏は「古いウイルスが我々の標本から発見され、興味深い発見があることを願っています」と研究にエールを送っている。
ベクター研究所のオレーシャ・オプロープコヴァ氏は古いウイルスと現在のウイルスを比較することで、現代の病原体の疫学的可能性を知る一助になるだろうと述べている。確かに古代の生物からウイルスを発見しようという試みは学術的には重要な意味を持つのだろうが、他方ではその危険性を指摘する声もある。つまり、永久凍土に眠っていた病原性の高いウイルスが蘇り、人間や他の生物に致命的なダメージを与えてしまう可能性だ。
ベクター研究所はロシア最大のウイルス学研究所であり、同国二つ目となる新型コロナウイルスワクチン「EpiVacCorona」の開発に成功したことも報じられている。だが、その歴史は決して明るいものだけではなく、かつては天然痘やマールブルクウイルスの軍事的研究を行なっていたことでも知られている。そのような場所が、先史時代のウイルス研究に乗り出す“意味”についても考えるべきかもしれない。
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2024.10.02 20:00心霊ロシアが永久凍土の死骸から「古代のウイルス」抽出へ! 未知の病原体が目覚める恐れ… 危険すぎる研究の“真の目的”とは!?のページです。ロシア、ウイルス、パンデミック、シベリア、死骸、細菌、永久凍土、先史時代などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで