臨死体験は「脳の酸素不足」ではない! 宇宙に散らばる意識と全体意識について博士が解説!
体験した者にしかわからない臨死体験(NDE)は依然として客観的な医・科学的研究が深く切り込めない現象である。NDEは脳への酸素供給の欠乏による幻覚であるという説明もまだ排除されてはいないのだが、それでもNDEは死後の世界の存在を示すものであると主張している科学者もいる。NDEが単なる生理学的現象ではないのは、NDE後に人生を大きく変えた人々が存在するからであるというのだ。
■サイエンスでは説明できない臨死体験(NDE)
既存のサイエンスでは説明できない、いわゆる“スピリチュアル”な現象であるにせよ、それを体験した者の証言を科学的に受け入れるべきであると主張し、「スピリチュアルサイエンス」を提唱しているのが英リーズ・ベケット大学の心理学者、スティーブ・テイラー博士である。テイラー博士は臨死体験(NDE)を広範囲に研究しており、著書に『Spiritual Science(スピリチュアルサイエンス)』(2018年刊)がある。
テイラー博士によれば、NDEは幻覚以上の体験であり、その背後にあるものについて「汎精神主義者(panspiritist)」の観点から説明している。
「何年にもわたって、臨死体験をした人々に会いました。ネガティブな経験が時々あるかもしれませんが、それらは通常ポジティブであり、いくつか同様の要素が存在します。私にとって、彼らが共通の“テーマ”を持っているという事実は、それらが臨床的な医学的用語で説明できないことを示唆しています」(テイラー博士)
科学の標準モデルは、人間の意識、心と体の関係、利他主義、臨死体験、PSI現象(テレパシーなど)、精神的体験などの領域を説明することにほとんど成功していないことを指摘し、精神や意識を現実の基本的な本質と見なす「汎精神主義者」の観点によって、これらすべてのことを理解することが可能であると主張している。
「最も説得力のある臨死体験は、手術や治療の出来事をその患者自らが目撃し、その後、医者にそれらについて非常に詳細に伝えることができることです。これらを標準的な科学的方法で説明することは不可能です。一部の専門家は、脳への酸素不足によって引き起こされる幻覚であると主張していますが、臨床現場で酸素を失ったときに人々に何が起こっているのかを検証しても同じような体験談はありません」(テイラー博士)
NDEの体験報告では、病院の治療室で医師たちによって慌ただしく心肺蘇生を施されている様子を部屋の天井近くから客観的に眺めていたことがよく語られている。そして、その時医師たちがどんな行動に出て、どんな言葉を口にしていたのかを正確に言い当てているのである。こうしたNDEに共通する要素があることを考慮すれば、NDEは単なる幻覚ではないと断言できるというのだ。
「多くの科学者からは、意識は脳の活動によって生み出され、脳が停止すると意識も停止するという標準的な仮定もあります。しかし臨死体験では、意識は脳活動が止まったときも続いています」(テイラー博士)
脳の活動が止まれば、まさに電池の切れた懐中電灯のように我々の意識もブラックアウトするのだとも考えられるのだが、NDEは数分間続くこともあり、それをどう説明したらよいのかは現状のサイエンスには手に余る事柄だ。
テイラー博士は、哲学者、物理学者、神秘主義者、そして精神的な伝統と先住民の文化の洞察を利用して、現実の精神的な見方の証拠を提示する試みを行っている。彼は「汎精神主義者」の見解が、進化や生命の起源、量子物理学、プラセボ効果、予知、神経可塑性などの他のさまざまな現象を含む、科学と世界の多くの不可解な側面をどのように説明できるかを体系的に示しているという。
そしてこの「スピリチュアルサイエンス」は、従来の科学と宗教の両方を超越した現実のオルタナティブとしてのスピリチュアルな観点を提供し、どちらも説明できない多くの謎に答えるものになるということだ。
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