「死の直前に幽霊が訪ねてきた」ワシントンポストが臨死体験を掲載!

 コロナ禍の真っ只中、米紙「ワシントンポスト」(1月3日付)に、あるスピリチュアルな手記が寄せられた。米ノースカロライナ大学ヘルスケアホスピスで、臨床ソーシャルワーカーとして働くスコット・ヤンセンさんからだ。彼は30年近い看取りの経験から「これだけは確信できる」と、未曾有の世界を生き抜く我々に愛に満ちたメッセージを送っている。

画像は「Unsplash」より


■夜ごと枕元に現れる愛に満ちた幽霊

 スコットさんが担当したエヴァンは90代前半の大腸がん患者。闘病も4年を超え、すでに生きる気力をなくし、自殺をほのめかすことさえあったという。

「しかし、その日は様子が違ってました。彼の落ち込みが和らいだように見えたんです。しかも憑き物が落ちたように晴れ晴れして。ギョッとした私は(まさか死ぬ気じゃ?)と緊張しました」(スコットさん)

「なんか今日は、いつもと違うね。どうしたの?」スコットさんは平静を装って尋ねたという。

 するといきなり「幽霊を信じるか?」と、エヴァン。

 患者がこのような質問をするのはよくあるそうだ。臨死体験や体外離脱、霊的な遭遇、夢の中のメッセージやシンクロニシティなど、人は人生の終わりにさしかかると、不思議な体験をすることがあるらしい。

「戦争の話をしたのを覚えてるか」とエヴァン。

 忘れるわけがない。彼は自分の長年のうつ病の原因を、第二次世界大戦中の陸軍病院での兵站将校時代にまで遡って説明してくれたからだ。そして「言い忘れたことがあった」と、ある恐ろしい、氷のように冷たい秋の日の描写を始めた。

 死傷者が続出し、現場は次から次へと担架で運び込まれる血まみれの男たちをトリアージするため一刻一秒を争っていたという。助かる見込みのある者は、鉄道車両に乗せて送り出していた。

「俺は一日中奔走してかなりテンパっていた。背中を骨折してることすら気づかなかったくらいだ。手は寒さで完全に感覚を失ってた。そして――最後の列車に間に合うよう、ある男を運んでいたら、俺の手が滑って担架がひっくり返ったんだ」涙が頬を伝った。

「地面にドサっと落ちた瞬間、ヤツの大腸が飛び出した。腸から蒸気が上がって、死んだ」エヴァンは、今でも冷たいかのように手をこすり合わせた。

「その夜、俺はベッドで泣いた。あの男がかわいそうで、かわいそうで。大勢の人間が死ぬのを見てきたから、そのうち自分も狂い死にするだろうと怖くてしょうがなかった」(エヴァン)

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