中国が気象兵器プログラム拡大!「すでに周辺国の降雨パターンを乱している」

画像は「getty images」より

 中国が「気象操作」の取り組みを急速に拡大する計画を昨年発表したことが話題になっている。対象面積はインドの国土の1.5倍以上とスケールがでかい。

 中国はヨウ化銀を高射砲から空に向けて発車し、雨を降らす技術を磨いてきた。すでにそれは実用化されており、2008年の北京オリンピックなどの大きなイベントの前、干ばつの緩和などに使用されてきた。

 昨年提案された計画の拡大は、気象パターンに影響を与える可能性があるほど大規模なものである。2025年までに550万平方キロメートルをカバーするというから驚きだ。そして2035年までに、農村の活性化、生態系の回復、自然災害からの損失の最小化に焦点を当てることを想定しているというが……。

 問題は気象はグローバルなものであり、局所的な操作が全体に波及する恐れがあることだ。この計画により、中国北部の乾燥は解決できるかもしれないが、メコン川、サルウィン川、ブラフマプトラ川といったチベットを源流にし、東南アジアやインド流れる川に影響を与えた場合、中国は周辺諸国との問題を悪化させるだろう。

 すでにインド側は中国の動きに警戒心を示しており、インドのウェブサイトでは、中国が気象操作を兵器化し、すでに周辺国の降雨パターンを乱しているのではないかと推測している。実際、「Collective Evolution」(2月23日付)によると、米国は気象兵器を保有しており、手を替え品を替え、現在も研究が続けられているという。

 たとえば、2018年にハーバード大学の研究者は、太陽光を地球から遠ざけるために大気中に粒子を噴霧するという構想を科学誌「ネイチャー」に発表したが、同分野の研究者であるデビッド・W・キース教授によると、大規模な気象介入の結果「毎年何万人もの人を殺すかもしれない」と警鐘を鳴らしている。また、核化学者であるマービン・ハーンドン博士が2015年に発表した論文は、ジオエンジニアリングによって大気中に散布された有毒物質が神経疾患の増加につながっていると指摘している。

画像は「Collective Evolution」より


 このように気象の兵器化は容易にできる。米国のジャーナリスト、シーモア・ハーシュが明らかにしたように、かつてベトナム戦争中に米国はモンスーンの操作を目的とする「ポパイ作戦」を実行していた。そもそも米国では1946年の時点で、ゼネラル・エレクトリック社が最初のクラウドシーディング実験を行っている。この技術は後にソ連で採用され、中国では毛沢東が「人為的な雨は非常に重要である」と発言したことで大いに研究された。

 70年代の中国では、核兵器を使ってヒマラヤ山脈に水路を作り、インド亜大陸から暖かい湿った空気を招き入れ、中国中部と北部の砂漠を緑化することを提案されたこともあるように、砂漠地帯の緑化は中国共産党たっての願いであるが、それ以上に周辺国は気象兵器としての側面に注意を向けるだろう。特に対立しているインドは黙っていないはずだ。

参考:「The Guardian」、「Collective Evolution」、ほか

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TOCANA編集部

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