村田らむが三重県伊賀市を「ニンニン忍者尽くし」のぶらり旅! 1人で行っても超楽しい…絶ッ対に行きたくなるルポ

 受付で1100円の入場料を払って村内に入る。村内も外と同じく草木が生い茂っていた。

 まず最初に志能備神社という神社があった。名前は“シノビジンジャ”でダジャレだが、見た目はガチの神社だ。

 なんでも名も知れず亡くなった忍者を祀っている忍者らしい。近づいて本殿の中を覗いてみると、巨大な大黒様が祀られていた。思わず、

「うわ」


 大黒様はもともとはヒンドゥー教のシヴァの化身マハーカーラという恐ろしい神様だったが、日本に来て大国主神と同化したりして穏やかな優しい神様になった。でも巨大な大黒様はむしろ怖い。下手したらマハーカーラより怖い。江戸時代に作られた日本一の木造大黒様だそうだ。『ガンツ〜七福神編〜』でコイツが出てきたら、瞬殺される自信がある。

 これは結構本格派の村だなあ……と思って先に進むと、高みから村の様子が見えた。


 茅葺屋根の家があり、池があるのが見える。本当の村感が漂っている。とてもいい雰囲気だ。

 そして最初に到着したのは、やはりカラクリ屋敷だった。甲賀忍者の子孫である「藤林家」の旧家屋を移築したらしい。つまり本物の忍者屋敷である。すごい。

 忍者姿のお姉さんが案内をしてくれた。最初のカラクリは普段使うドアの前に掘られた40センチくらいの四角い穴だった。


 押し入った人が落っこちて、むこうずねをぶつけるように設計されているそうだ。さすが忍者、意地悪だ。どんでん返しがあったり、囲炉裏の下に抜け穴があったり、あかないふすまがあったり、ワクワクする仕掛けがたくさんあった。そして、奥の部屋は、吊り天井になっていたそうだ。つまりロープを切ると、室内にいる人が押しつぶされるしかけの部屋だ。そんな部屋、普段怖くて生活できないじゃろう。


 忍者屋敷の隣には、甲賀忍術博物館が建てられていた。昭和58年に建てられた施設だそうだが、なかなか展示も味わい深い感じに風化していた。貼られている写真は劣化してよく見れなくなっていたし、展示品も傷んでいるものもあった。


 屋敷の前には井戸があり、井戸にははしごで降りることができそのまま離れた場所まで移動することができた。これはなかなかのワクワク感である。思わず2回も往復してしまった。


 貸衣装で忍者のコスチュームに着替えることができるし、手裏剣を投げたり、アスレチックを楽しむようなスポーティーな施設も多かった。ただ僕はサンダルで行ったので、ツルツル滑ってまともに歩けなかった。

 広場にはデカイ手が置かれていてなんだろうと思ったら、映画『伊賀忍法帖』で使われた奈良の大仏の手だという。小学校の時にワクワクしながら見たのを思い出した。すげえ懐かしい!! と興奮したが、いや甲賀じゃなくて伊賀なんかい!!

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