知りたくなかった「小惑星の地球接近」本当の危険!! 衝突回避でも噴火や地震連発で人類滅亡か、中津川昴がメカニズムを解説!
■地球創世の謎と「ティアマト」
現在、(太陽フレア、磁気嵐等の状況を観測して伝える)Space Weatherが公表している「地球に脅威となる地球近傍小天体(NEO)」は全部で2307ある。そのうち100m超級のNEOは約100あり、その中には数10kmを超えるものも存在する。これらは滅多に地球には接近しないものの、火星と木星の間を小惑星帯(アステロイド・ベルト)として周回している。
この小惑星帯の成り立ちについては、いくつかの仮説が唱えられているのだが、火星と木星の間に存在していた幻の第五惑星「ティアマト」の残骸ではないかという宙考古学者ゼカリヤ・シッチンによる指摘は一考の価値がある。
それは今から40億年前、地球よりやや大きい惑星ティアマトに、3700年という長周期の系外惑星「マルドゥック」が衝突し、ティアマトは全壊。大きな欠片2つが現在の金星と火星の間に吹き飛ばされ、「地球」と「月(Kingu)」になったという古代シュメール文明の言い伝えから作り上げた仮説だ。ちなみに現代でもユダヤ教では古代シュメール文明の暦が用いられており、2021年はシュメール歴5781年となるのだが、この暦では地球の引力に捕らえられた月が地球を周回し始めたという時期を文明の始まりに据えている。
いずれにしても、古代シュメール的な見地に立つならば、ティアマトの破片の多くはほとんどが木星を周回する軌道に乗っていたが、いくつかは太陽を周回する楕円軌道に乗り、それらが現在、地球近傍まで飛来してくる小惑星と解釈できよう。
■恐竜絶滅は小惑星の“衝突”だったのか?
竹内薫らの著書『理系親子になれる超入門 : 誰かに教えたくなる宇宙のひみつ』(徳間書店)は、恐竜を滅ぼした原因について、ダークマターのディスクが地球を通過したことにより、小惑星が引力に惹きつけられて地球に落下したというハーバード大学の理論物理学者リサ・ランドール女史の仮説を採用している。電磁相互作用に似た「強い相互作用」をするダークマターのディスクが銀河系の赤道面を上下するように絶えず動いており、太陽系全体がそれを通過した際、多くの隕石や小天体が降ってくると考えているようだ。
そして6,600万年前、このディスクが通過した際に、地球に小惑星が降り注ぎ、地殻津波が発生。成層圏に漂う塵によって、気候変動(火山噴火、地震、氷河期)が生じた。その証拠に、当時の地層には宇宙由来のイリジウムが降り積もっているそうだ。だが、それらが地中から湧き上がってきたという仮説にも説得力があるし、当時の化石が厚い泥に埋まって無酸素状態で蒸し焼きになっているところを見ると、火山噴火による火砕流が大量絶滅の原因のようにも思えてくる。その辺りは、まだ決定的な証拠が提出されていないのが現状だ。
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