【大発見】ガチで“未知の力”や“未知の物理”が存在する可能性! 素粒子「ミュオン」が既知の理論に一致しない証拠が見つかる!

 今月7日、素粒子物理学の分野で大きな発見があったことが発表された。ミュオンという小さな粒子が、既知の理論に一致しないという証拠が見つかったというのである。米「The New York Times」(4月7日付)など複数メディアが一斉に報じた。

A Tiny Particle’s Wobble Could Upend the Known Laws of Physics (The New York Times)

画像は「Nature」より引用

 ミュオンは宇宙線として地球に降り注いでいる素粒子の一種で、磁力を持っていることが知られているが、その実験値が「標準模型」と呼ばれる理論体系から予想される値よりわずかに強いことが知られていた。

 このわずかな異常値(g-2、gマイナス2と読む)は本当に存在するのか、あるとすればその原因は何なのか? 米イリノイ州のフェルミ国立加速器研究所(フェルミ研究所)では大型衝突型粒子加速器を使い、強い磁場にミュオンを発射して精密な測定を行っていた。そして今回、改めてg-2が観測され、ミュオンが標準模型の予測から外れた振る舞いをすることが発表されたのである。

 標準模型は1970年代に組み立てられて以来、その正しさが証明され続けていた。しかし、物理学者らはこのモデルのどこかに「間違い」があると考え続けており、今回ついにその間違いの一つが見つかったということになる。フェルミ研究所のクリス・ポリー氏は、今回の発見が「火星探査船が着陸した瞬間」のようなものだと、その喜びと興奮を表現している。

画像は「Getty Images」より引用


 研究者らによると、g-2は我々のまだ知らぬ新たな素粒子の存在を示唆していると同時に、標準模型を超える物理の存在も示しているという。この発見は今後の理論物理学にも大きな変化をもたらし、宇宙の進化やエネルギーなどにまつわる謎の解明につながるものと期待されている。

 物理学者らが数十年にもわたって探し続けていた理論の「ほつれ」は、今後の科学を大いに発展させてくれるに違いない。

参考:「The New York Times」「Nature」ほか

TOCANA編集部

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